霜降り明星せいやが語る“純度100%のお笑い番組”の面白さと難しさ「『ドキュメンタル』というバケモノに好かれる芸人になりたいです!」

2019/05/23 18:53 配信

バラエティー

M-1王者・せいやが「ドキュメンタル」を鋭く分析撮影=後藤利江


──では本番当日、部屋に入って共演者の顔ぶれを知ったときは?

僕が部屋に入ったときにまず、後藤(輝基)さんとノブさんのお2人が見えたんですよ。「やった!」と思いましたね。「ドキュメンタル」って、ツッコミの役割がめっちゃ大事やと思うんです。特に僕はボケですから、ツッコミの人がどれだけ活躍しようが、自分とかぶることがないんで。しかも後藤さんとノブさんといえば、“ツッコミの2トップ”やないですか。これはすごい回になるなと思いました。

ただ、そこにもう一人、加藤(歩)さんの姿が目に入ってきて、「ヤバい、最悪や」と(笑)。これは僕とぶつかるぞ、と思ったんです。本番前までは、自分はおそらく一番若手ですし、先陣を切ってボケまくっていこうと思ってたんですね。でも、加藤さんは絶対パワー100%で来るやろうから、僕はボランチ的な動きもした方がいいんかなと、急きょ頭を切り替えて。で、さらに(ハリウッド)ザコシショウさんが入ってきたときに、「これ、俺がトップでボケるの無理やな」って諦めました(笑)。

やっぱり、出演するメンバーによって“出方”って変わるんですよ。それが「ドキュメンタル」の奥深さというか。視聴者の方にしてみたら、「こんな人が出るのか」っていうサプライズの楽しみがあると思うんですけど、プレイヤーからしたら、本番当日にメンバーが分かるまで何も計算できないっていうのは、なかなかつらいんですよね。

“泥臭く”っていうのはまだ甘い。泥どころか、ヘドロぐらいにならないと(笑)


シリーズ最強との呼び声も高い熾烈な笑わせ合いバトルを振り返るせいや。「『ドキュメンタル』の規模に負けてしまうんですよ、自分のボケが」撮影=後藤利江


──とはいえ、招待状をもらってから本番当日まで、いろいろと準備はされたと思うんですが、準備していたのに披露できなかったネタなどはありましたか?

あ、それはいっぱいあります。ただ、事前にいろいろネタを考えたんですけど、シーズン6までを見返すと、「これ、もうやってるんや」っていうこともいっぱいあって。けっこう出尽くしてるんですよね。だから、番組の中でも言いましたけど、ここはもう、自分にできることをひたすら真っすぐ、泥臭くやろうと思いました。番組に合わせて準備するというよりは、元々自分ができることを持っていったっていう感じです。

──その「真っすぐに、泥臭く」という当初の目標は、本番で達成できましたか?

案の定、ザコシショウさんと加藤さんのパワーに押し負けた感じで…(笑)。やっぱり「ドキュメンタル」はそんなに甘くないなと。お2人に負けずに自分も前に出なあかん、自分なりのマックスを出そう、という気持ちで頑張るんですけど、「ドキュメンタル」の規模に負けてしまうんですよ、自分のボケが。収録の最初の方は、計算しながら攻撃を仕掛けていけるんですけど、中盤を過ぎると、皆さん手数がなくなってきて、“地肩”の戦いになっていくんです。だから、“泥臭く”っていうのはまだ甘いんですよ、泥どころか、ヘドロぐらいにならないと(笑)。