金融王子から“うぶな男”に変身!? 長谷川博己が「セカンドバージン」の最終回と出演中の舞台を語る

2010/12/14 08:00 配信

ドラマ

鈴木行の役衣装でインタビューを受ける長谷川博己

NHK総合で放送中のドラマ「セカンドバージン」が、12月14日(火)に最終回を迎える。17歳年上の出版プロデューサー・中村るい(鈴木京香)との大人の恋愛劇を繰り広げてきた起業家・鈴木行を演じる長谷川博己に最終回の見どころを聞いた。

――これまで演じてきて印象的だった、思い出のシーンはありますか?

展開の速さや、大胆な映像の変化が印象的でした。4話では、不倫関係にある、るいと行の家が隣同士なので、るいが帰宅時に(行の妻)万理江(深田恭子)と遭遇し、万理江の両親に誘われるまま団らんに参加するという”ピリッとしたシーン”から、耐えられなくなったるいは家に戻ると、るいと行の関係を理解している愛子(YOU)がやってきて”ほっとさせるシーン”に変わる。視聴者をぐいぐい引っ張る展開で、僕も心を動かされました。

――るい、万理江の対照的な二人を客観的にどう分析しますか?

万理江は、行がいないと生きていけない女性だったけど、成長し、自立していく。夫に不倫されて辛かったという部分もあると思うんですよ。万理江は、僕が女性だったら演じてみたいと思えた役でした。るいは、毅然としていてさっそうと前に進んでいくという姿がやっぱり魅力的。行の思いを受けて進んでいってるんだと思うんです。そういう姿を見て、行は好きになったんだと思います。

――女性の視聴者が多数だというこのドラマ。女性に支持される要因と思える部分はありましたか?

まず、女性から見た世界観を感じます。それと、やっぱり女性って男性の感覚と全然違うんだなと思いました。この作品に出会うまで女性が男性の指に魅力を感じてるなんて知らなかった。そんなたいした指じゃないんですけどね。僕は逆に、ごつごつした大きい手にあこがれますけど(笑)。

――撮影の空き時間などはどのように過ごしていましたか?

撮影スタジオでは、行が万理江と住んでいる家のセットと、るいの部屋のセットが隣同士にあり、休憩の際は、るいの部屋にいました。行の家は落ち着かなくて(笑)。るいの部屋は、階段に本を積んでいたり、僕が住みたいです。あの部屋で映画とか見たいですね。

――最終回の見どころをお聞かせください。

1話の冒頭であったシンガポールでるいと再会するというシーンから始まります。行は、るいと視線で口付けを交わすような感じでるいの前から去ろうとするのですが、やっぱり切っても切れない関係だなと再認識したような気持ちで演じました。マフィアに撃たれ、瀕死の状態に陥るのですが、最愛の人・るいの手の中にいれて、ある意味本物の「死の快楽」だったのかなと思いました。最後に、女性はすごく強いんだって再認識しましたね。同時に、脚本家・大石静さんの“男たちよ立ち上がれ”というメッセージも感じる。暗い展開の中にもほのかな幸せがあって、最終回、ぜひ見逃さないでください。

現在、長谷川は、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで舞台「黴菌(ばいきん)」に12月4日より出演中。作・演出を、劇団「ナイロン100℃」の主宰・ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏が手がけ、'09年の「東京月光魔曲」に続く昭和3部作の第2弾となる作品となる。敗戦の年、東京郊外にある洋館を軸に、そこに集まった人々の密室劇を描いた舞台の稽古中だった長谷川に見どころを聞いた。

――ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏の手がける舞台の雰囲気はどうですか?

元々、ケラさんがやっていたバンド「有頂天」のときから知っていて、劇作家・岸田國士氏の作品を柔軟にアレンジしていたり、何かに突き動かされてなきゃできないんじゃないかって思える天才的な部分を感じます。才能をうらやましく思いますね。僕が言ったら失礼かもしれないですけど、ケラさんはやっぱりすごい才能の持ち主なんだなって思います。昭和20年代なんて相当リサーチしなきゃ書けないと思うんです。また、ケラさんの演出を聞いてると一文字一文字に意味があるんですよ。ケラさんの舞台に出演できて、うれしかった反面、ちょっと不安も感じています。これまで蜷川(幸雄)さんの舞台が続いたので早く“ケラワールド”に馴染めるようにがんばりたいですね。

――見どころを教えてください。

いろんなキャラクターが出演しています。僕は昭和20年代のうぶな男・五斜池(ごしゃいけ)銀一郎という役です。今はまだ稽古中なんですが、共演者みなさん、台本ができた当日から演じることができちゃうんですよ。映像の世界でやってきてる人が結構多いので、すっと役に入ることができる人が多いんですよね。さまざまな作品で経験を重ね、引き出しもある。僕はキャリアが違いすぎて不器用なんだなってよく分かりました(笑)。でもそういう所に入って修行したほうが自分が成長できるんだろうなと思います。