WOWOWが「ハリウッド・スター特集」を開催中! 今回の特集で選ばれたのはブラッド・ピット、デンゼル・ワシントン、ニコラス・ケイジ、アーノルド・シュワルツェネッガー、レオナルド・ディカプリオ、イーサン・ホークの6名。前回記事(『ハリウッドスター不在時代に存在感を失わないベテラン俳優3選<ザテレビジョン シネマ部>』)に引き続き、後半の3名をピックアップしてみたい。
アーノルド・シュワルツェネッガーといえば、シルヴェスター・スタローンと並ぶマッチョ系アクション・スターの元祖的存在。「『ロッキー』('76)のスタローンの方が大先輩でしょ!」と思うかもしれないが、スタローンがアクション映画で注目を浴びたのは1982年の『ランボー』であり、同じ年にシュワルツェネッガーが『コナン・ザ・グレート』でブレイク。先輩スタローンに対するシュワの猛追が始まるのである。
2人の80年代のライバル関係は場外乱闘も含めて楽しい。1985年の『コマンドー』はあからさまに『ランボー』を意識しているし、スタローンの刑事アクション『コブラ』('86)のポスター・ビジュアルはシュワの『ターミネーター』('84)に似ている。そして同じ年にシュワは『ゴリラ』なる刑事アクションをぶつけているのだ!(ちなみに『ゴリラ』と邦題を付けたのは日本の宣伝会社で、原題は『RAW DEAL』)
今回放送される『イレイザー』('96)はシュワが充実期に入った90年代の作品だが、この頃になるとシュワはもう独自路線を確立。名実ともにハリウッドのトップスターとなっていた。2002年の『コラテラル・ダメージ』は、当時のハリウッドのアクション大作には珍しく、テロリスト側の心情に踏み込んでいる。9・11テロの直後ということで再編集を余儀なくされ、それでもなおテロ犯に同情的であると非難を受けたりもしただけに、今だからこそ再評価を望みたい。
そして『キリング・ガンサー』('17)は、シュワがカリフォルニア州知事というまさかの転身を遂げた後、俳優業にカムバックしてからの最近作。本作では主演ではなく、主人公が付け狙う伝説の殺し屋という役どころで、シュワの大御所感があるからこそ成立している余裕たっぷりのコメディだ。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)