国民的人気を誇るアニメ「ドラゴンボール」のシリーズ最新作として2018年に国内外で公開され、世界興収130億を超す大ヒットを記録した映画「ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー」。孫悟空、ベジータと伝説のサイヤ人・ブロリーとの過去の因縁と激しいバトルを、原作者の鳥山明自らが脚本を手掛け再構築した本作が、このたびブルーレイ&DVD化。6月5日(水)にリリースされる。
そこでザテレビジョンでは、1986年のテレビ放送開始以来、30年以上にわたり主人公の孫悟空を演じている野沢雅子に直撃インタビューを敢行。今作「ドラゴンボール超 ブロリー」の話をはじめ、孫悟空というキャラクターへの思い、声優としての“仕事の流儀”など、さまざまな話を伺った。
──「ドラゴンボール超 ブロリー」は海外でも公開され、大ヒットを記録しました。「ドラゴンボール」シリーズが、30年以上の長きにわたって多くの人々に愛され続けている理由はどこにあると思いますか?
私はやっぱり、何よりも孫悟空のキャラクターだと思います。ああいう人って、なかなかいないじゃないですか(笑)。「これをやったら俺は得をする」というような、私利私欲が全くないでしょう。いつも修行をしているのも、悪いヤツが現れたときに、自分じゃなく、みんなを守るために戦うことが目的ですから。
──しかも、敵を倒そうというよりも、「オラ、強いヤツを見るとワクワクすっぞ!」というのが戦いの動機ですからね。そういった純粋さも、悟空ならではですよね。
そうなんです。どんなに強い敵が来ても、決して怖がらないし、「負けるかもしれない」とも思わない。でも、「負けたくない」とも思っていない(笑)。戦う相手に対する憎しみの心が全くないんですよね。
──その悟空がこの作品で戦った「強い敵」が、過去の劇場作品にも登場してファンの間でも人気の高いブロリーです。鳥山明先生が脚本を手掛けて、ブロリーの背景にあるストーリーも新たに作られています。
素晴らしいですよね。鳥山先生の頭の中って一体どうなっているんだろうって、つくづく思います。
今回、最初にシナリオを読んだとき、ブロリーって何てかわいそうな人なんだろうと思ったんですね。でも、ブロリー自身は決して自分のことをかわいそうだなんて思っていない。常に前向きに生きているんです。そういうキャラクター造形が、鳥山先生ならではだなと思うんですよ。きっと鳥山先生ご自身が、マイナス思考がない方なんでしょうね。私も同じように、マイナス思考はこれっぽっちもなくて、「命さえあれば、どうにかなる!」という考えの人間ですから、とっても共感できるんです。
──「マイナス思考がない」というのは、普段のお仕事にも反映されているんでしょうか?
“生きていればどうにかなる”っていうのは、仕事はもちろん、野沢雅子が生きていく上での全てにおける信条のようなものなんですよ。この気持ちさえあれば、私はずっと私らしく生きていけるのかなって。さすがに悟空のようにはなれないですけど、少しでも近付くことはできるんじゃないかなって思っています。やっぱり、“自分らしく”が一番。かっこよく生きたいと思ったことは一度もないですね。
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