野沢雅子、変わらぬ声の秘密は能天気さにあり?「朝起きてすぐに“かめはめ波”が撃てます!」

2019/05/29 06:10 配信

アニメ

迷ったときに、私の頭の中にいる悟空が「オラ、こう思うぞ」って話し掛けてくるんです


声優として数多くのキャラクターを演じてきた中で「孫悟空は“共に生きている”と思える唯一のキャラクター」という野沢雅子


──そんな野沢さんの中で、改めて、「ドラゴンボール」という作品はどのような存在ですか?

これまでいろんな仕事をしてきましたけど、「ドラゴンボール」という作品は、私の中でものすごく大きな存在で。“共に生きている”と思える唯一のキャラクターが、悟空なんですよね。こんなこと言うとおかしいですけど、私にとって一番の相談相手でもあるんです。何か迷ったときに、「悟空だったらどうするかな?」って考えると、私の頭の中にいる悟空が「オラ、こう思うぞ」って話し掛けてきて、「なるほどそうか、そうしてみよう」って。

──悟空を演じられるときは、野沢さんの頭の中にいる悟空がしゃべりだす、というような感覚なんでしょうか。

そうそう。だから、本当はそんな風に思っちゃいけないんだけど、悟空の敵も、キャラクターと演じる人が私の中で一体化しちゃうんですよ。悟空がやっつけられたりすると、敵役の声優さんに「何すんのよ!?」って言いたくなっちゃう(笑)。もちろん、すぐ反省するんですけどね。

──今回のブロリーについては、悟空=野沢さんは、どのような感情で相対したのでしょうか?

ブロリーは悪役ではありますけど、根っからの悪人ではないんです。環境とか生き方とか、自分の責任とは関係ないところで、ああいう風になっちゃった。さっきも言った通り、すごくかわいそうな人なんですね。だからブロリーも、悟空とずっと一緒にいられたらいいのに、と思いました。そうしたら、一緒に平和を守っていけるし。

「ドラゴンボール超 ブロリー」の敵役・ブロリー。「悪役ではあるけれど、すごくかわいそうな人」とは野沢雅子の弁(c)バードスタジオ/集英社 (c)「2018 ドラゴンボール超」製作委員会


──また今作では何といっても、ブロリーと悟空&ベジータが繰り広げる、息もつかせないバトルシーンが見どころとなっています。

私、この作品については「あの映画でセリフしゃべったっけ?」っていうくらい、戦いのシーンばかりが強く印象に残っているんですよ。言い方が難しいんですが、これまでのシリーズとは、ちょっと毛色が違う気もして。

私が一番かっこいいなと思うのは、ラストシーンの悟空の顔。大好きです。人として自信がなかったら、ああいう表情にはならないと思うんですよね。でも、だからといって決して自信過剰なわけでもなくて。最後の悟空の顔には、そんな悟空の心の美しさが表れていて、本当に素晴らしいなと思います。