亀田誠治を中心にまさにボーダレスな顔ぶれが集結! 初開催「日比谷音楽祭」レポート

2019/06/03 22:00 配信

音楽

大迫力のオープニングシーン


「フリーで誰もが参加できる、ボーダレスな音楽祭」を合言葉に、今回が初開催となった「日比谷音楽祭」。東京ミッドタウン日比谷にある2つのステージも含む日比谷公園一帯を舞台に、様々なワークショップやアプリを使った企画など、音楽を観るだけではない“体験型”のコンテンツが充実しており、コンサートとレジャーの両方の良さが体感できる、フェスの新しい形を示すものとなった。

小池都知事と亀田誠治がドラをジャーンと鳴らして幕を開けた!


実行委員長の音楽プロデューサー・亀田誠治を中心に、有名アーティストから和楽器奏者や市民コーラスグループまで、まさにボーダレスな顔ぶれが集結。ジャンルや世代といった壁を超えて、音楽という大樹の下でひとつになった。

まずは初日となった、6月1日(土)のYAONステージ(日比谷野外音楽堂)で行われた、Hibiya Dream Session 1の模様をレポートする。

亀田誠治(b)、佐橋佳幸(g)、斎藤有太(key)、河村“カースケ”智康(ds)、皆川真人(key)といった日本のポップスシーンを支える凄腕ミュージシャンが「日比谷音楽祭」のために集結したスーパーバンド「The Music Park Orchestra」と、THE SOULMATICS with TSM GOSPEL ENSEMBLEがステージに登場。いきなり披露したのはシカゴのヒット曲「Saturday in the park」だ。平和への思いが込められた曲として知られている曲で、そのタイトル以上に「日比谷音楽祭」にぴったりだ。さらにプロを目指す学生クワイアであるTSM GOSPEL ENSEMBLEが日本語詞をつけて自らの意志を表現したところも、曲が次世代に受け継がれていく様が見えたようで、最高の演出での始まりとなった。プロと若い才能が一緒のステージに立つ、これこそが「日比谷音楽祭」だ。続いて、THE SOULMATICSのオリジナル曲「we are all one」。伸びやかなボーカルとコーラスに乗って、“私たちはひとつだ”というメッセージが夕方の空に溶けていく。曲終盤には子供たちのクワイアによる合唱も加わり、まるで「We Are The World」への返歌のようだ。

小池百合子東京都知事の登場に場内は多いに沸いた


亀田誠治の挨拶に続いて、小池百合子東京都知事がサプライズ登場! 登場するや「Saturday in the park」」のサビを口ずさむ。「一体感溢れる音楽祭にしてください!」。都知事の挨拶終わりで「we are all one」のエンディングコーラスがかかり、小池都知事と亀田誠治がドラをジャーンと鳴らして、いよいよHibiya Dream Session 1 が幕を開けた。

オーディエンスを煽り会場を盛り上げたKREVA


KREVAの登場にひときわ大きな歓声が上がる。まずは「イッサイガッサイ」からスタート。ラップのフロウが夕方の涼しい風に混じって、日中に焼けた素肌を心地よく撫でる。サビの“イッサイガッサイのみこんで”というリリックに、日常的ダイバーシティを感じるのは「日比谷音楽祭」ならでは。オーディエンスも手を大きく左右に振って応える。曲間MCで「都知事からの俺! まさかの!」とKREVA。そして「ジェットコースターって最初にかなり高いところまで上るじゃないですか。それって、最初に登ったその勢いで最後まで行くためなんですよ。だからこのイベントも最初が大事」と、ここでゲスト呼び込み。「なんと俺の娘と同い歳」という9歳のスーパードラマー、よよかが登場。よよかと河村“カースケ”智康のツインドラムに、さらに、THE SOULMATICS with TSM GOSPEL ENSEMBLEも加わり、ステージは一気にヒートアップ。次の曲「Na Na Na」のサビではオーディンエスとコール&レスポンスを繰り広げ、ものすごい一体感でライブを終えた。ジェットコースターの加速はもう止まらない。

爽やかで心地よい空間を演出した山本彩


次に登場したのは、山本彩。日比谷野音のステージに立つのが初めてという彼女の1曲目は、自身のソロ1stシングル「イチリンソウ」。続く2曲目は、AKB48の「365日の紙飛行機」を披露。アコギに持ち替え弾き語りから入る姿は、アイドルを超えてゆく堂々としたパフォーマンスだった。また、立教大学手話サークルHand Shapeとのコラボレーションは、まさにボーダレス。素晴らしいステージだった。

確かな歌声でオーディエンスを魅了したJUJU


陽が傾き、ステージにピンクの照明が映える中登場したのは、JUJU。漫画家・矢沢あいとコラボレーションしたMVが話題になった「いいわけ」からスタート。この曲をプロデュースしたのは小林武史で、一方で小林がオーガナイズする環境への取り組みを理念に掲げる「ap bank fes.」と、この「日比谷音楽祭」のマインドが通底しているようにも感じられるのは深読みだろか。しかし、そうした“つながり”を感じられることこそが、カルチャーの成熟を物語っている。次に披露した「やさしさで溢れるように」は、亀田がプロデュースした楽曲で、レコーディングはほぼ「The Music Park Orchestra」メンバーということで、ちょっとした奇跡が実現。

タケカワユキヒデの歌声で会場がひとつに!


ミッキー吉野のキーボードプレイが冴え渡る!


聴き覚えのあるイントロが会場に響き渡り、ステージが怪しげな光に包まれた。そう、これはゴダイゴの「Monkey Magic」だ! ミッキー吉野タケカワユキヒデ from ゴダイゴの登場だ。しかも、JUJU、よよか、THE SOULMATICSとのコラボバージョン。JUJUが三蔵法師に見えてくる……。往年のファンはここぞとばかりに盛り上がってハンドクラップを打ち鳴らす。「Monkey Magic」ときたら次はもちろんあの曲だ。そう、「ガンダーラ」。やはり時代の流れの中で何十年経っても残っている歌の芯はぶっとい。会場を見ると若い世代もスタンディングで体を揺らしている。音楽が世代をひとつにつなげる瞬間だ。「ここまできたら、もうこれをやるしかありません」とタケカワの一言ですべてを察知したオーディエンスから曲紹介と同時に歓声が上がる。「銀河鉄道999」のメロディーを、バッチリ夜になった日比谷公園が迎える。野外でしか感じ得ないスペシャルなシチュエーション、しかも見渡せば森にビルに、銀河鉄道が夜空に駆け上がっていく背景がそこにあるじゃないか。客席からの拍手が鳴り止まない。

亀田誠治と握手を交わすミッキー吉野