<海獣の子供>14歳の実力派俳優・芦田愛菜&石橋陽彩が語る「声だけで気持ちを伝える難しさ」

2019/06/06 07:00 配信

映画 アニメ インタビュー

映画「海獣の子供」場面カット(C)2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会


芦田「映像と音楽が本当にすごくきれいで美しい」


――原作が持つ海の中で感じる静けさと荒々しさや、海の匂いが感じられるような映像美、また久石譲さんが手掛けた音楽がすごく印象的でした。ご覧になってどんなことを感じましたか?

芦田:映像と音楽が本当にすごくきれいで美しくて。お互いがお互いを引き立て合って、そこに命が宿っているようでした。

石橋:先に原作の漫画を拝見したときに、海の風景や魚が動く様子など、自分の頭の中で想像しながら読んでいたんです。でも実際の映像も音楽も、自分が考えていたものよりもはるかに上回っていて、素晴らしいものでした。

――特にどのシーンが意外でしたか?

石橋:最初の方に琉花が学校から走って帰るシーンがあるんですけど、そこのカメラワークです。琉花の動きに合わせるのではなく、カメラが先に動いて、後から琉花が走ってくるのですが、こだわりがすごいなと感じました。

映画「海獣の子供」場面カット(C)2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会


――芦田さんはどのシーンが印象に残っていますか?

芦田:私は琉花と“海”が水槽の中で初めて会うシーンです。音楽がだんだん盛り上がっていくんですけど、琉花自身はまだ気付いてはいない、不思議なものに出会ってこれから何かが始まるような高揚感や期待が現れていて、すごく好きです。あと作品全体を通して、水の動きがとてもダイナミックで躍動感があって驚きました。

――今回、演じる琉花と“海”はどんなキャラクターですか? また、自分に似ているなと感じた部分があったら教えてください。

石橋:“海”は、すごく元気で自分の考えに素直。何かを思い付いたらすぐ行動に出るし、物事に対する喜怒哀楽が豊かです。自分で言うのは恥ずかしいですけど、素直なところは似ているかなと感じました。“海”ほどではないですけど、喜怒哀楽を出す方だと思います(笑)。

芦田:琉花は言葉では多くは語らないんですが、心の中ではいろんなことを感じたり思ったりしていて。その気持ちを誰かに分かってほしいのに、うまく言葉にして伝えることができないという、もどかしい気持ちを抱えている女の子です。私自身、そういう気持ちはすごく共感しました。

安海琉花(CV:芦田愛菜):自分の気持ちをうまく言葉にできない中学2年生。(C)2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会


――どちらかというと、芦田さんは自分の気持ちを相手にしっかりと伝えられる印象があったので、すごく意外です。

芦田:自分の気持ちを正確に人に伝えたり、分かってもらうのはすごく難しいです。ポジティブなことは言えても、ネガティブなことが言えなくて。例えば、悔しいことをちゃんと悔しいと言えないとか、そういう自分に素直になれない瞬間はあるので、琉花の気持ちはすごく理解できましたね。

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