――今、画質は4K・8Kというところまで進化していますが、それ以外の点でスポーツ放送がもっとこうなっていってほしい、というのはありますか。
今はテレビで映し出されるのは1画面だけですが、実際の会場には20台くらいカメラがあって、映す映像を放送社側が決めているんです。今後は、自宅にいながらこっちのカメラ、あっちのカメラというふうに、見る画面を視聴者側が選べるようになったら最高ですよね。
われわれ実況も、「ちょっとこっちのベンチが見たいな、ポチっ」とか、「控え選手はウォーミングアップしてるかな、ポチっ」とか、自分たちでスイッチを押してカメラが自由に選べる時代が来たら楽しいですよね。今の時代なら不可能じゃないと思います。
――4Kの先も進化は続いていきそうですね。では、西岡さんご自身は、これからどのようなことに取り組まれたいと考えていらっしゃいますか。
まだ実況者として「やり切った」という気持ちはないんですが、今度はもう少しクラブの仕事や選手と向き合う仕事など、喋ること以外でサッカーと関わる仕事のウエイトを増やしていきたいですね。今の仕事もサッカーとの関わり方の1つですが、それが全てではないと思っていますし、関わり方は何でもいいと思っています。
とはいえ、僕は選手にはなれなかったし、監督にも多分なれない。なので、サッカーをより普及させるために、クラブの中でチームの社長をやるとか、Jリーグや日本サッカー協会に携わるとか、より直接的にサッカーに関わる仕事をしてみたいな、という気持ちはちょっとあります。やはりわれわれも40代になると、何となく夢も広がって、そういうところにトライしたくなりますね。
〇西岡明彦プロフィール
1992年に広島ホームテレビに入社。退社後、ロンドンに留学。1999年に帰国後、フリーのスポーツコメンテーターとして数多くのサッカー実況を担当。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)