決勝シーンは引きのショットが多めの淡々としたタッチで再現されるが、試合展開そのものがエキサイティングで、ぐいぐい引き込まれる。特に、攻防が延々と続く第4セットのタイブレークの場面からは、勝利まであと一歩に迫ったボルグと、ゲームを振り出しに戻したいマッケンローの静かな熱気と緊張感がひしひしと伝わってくる。
実際は22分にも及んだ壮絶なタイブレークを含め、試合の全容は、『伝説のウィンブルドンテニス ボルグvsマッケンロー』で観ることができる。映画で表現された以上に無表情(!)のボルグと、焦りや安堵が顔や仕草には出るものの、意外にも最後まで紳士的だったマッケンロー。2人のドラマを映画で知ったうえで観ると、彼らの精神状態にまで思いを巡らせながら楽しむことができるだろう。
マッケンローは現在、解説者として人気を博していて、穏やかになったとはいえ口が悪いのは変わっていない。2017年、「セレナ・ウイリアムズが男子ツアーに参加したら世界ランクは700位くらい」と発言して物議を醸し、「それなら、男子と女子が試合をしてみればいい」と言ってのけた。
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