スキャンダル、死闘、襲撃事件...フィクションを超える実話スポーツ映画3選<ザテレビジョン シネマ部コラム>

2019/06/11 07:00 配信

映画

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.


彼の提案による対決は実現していないが、男女対決自体は実は過去に行われたことがある。『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(’17)で描かれる、現役女子テニスの全米王者ビリー・ジーン・キング(エマ・ストーン)と、55歳の男子の元王者ボビー・リッグス(スティーヴ・カレル)が対戦した1973年のエキシビション・マッチだ。

この作品も、試合までの経緯が興味深い。男女同権運動が全米各地で起こっていた70年代、既にテニス界で活躍していたビリー・ジーンは、女子の大会優勝賞金を男子の8分の1とする全米テニス協会に反発し、女子テニス協会を設立する。その話題性に便乗してもう一度脚光を浴びようとするリッグスから対戦のオファーが舞い込むのだ。

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』(C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.


本作は社会派ドラマの側面があり、トーナメントの途中で同性愛に目覚めたビリー・ジーンのロマンスもある。献身的な夫や、“男性優位主義のブタ”を自称するリッグスの立ち位置もユニークで、テニスではなく、男と女の関係について少し考えさせる作品になっている。