徳山秀典が語るドラマ「さくら心中」の魅力!「とんでもない脚本と巡り合った」

2010/12/21 11:00 配信

ドラマ インタビュー

ドラマ「さくら心中」で、蔵人・高梨比呂人役を演じる徳山秀典

'11年1月5日(水)からフジ系でスタートする昼の連続ドラマ「さくら心中」で、ヒロイン・宗形桜子(笛木優子)と恋に落ちる蔵人・高梨比呂人を演じる徳山秀典に単独インタビューを行い、ドラマの魅力や撮影の裏話などを語ってもらった。

―台本を読んだ感想を教えてください。

「監督やプロデューサーと話をさせていただいて、ドロドロな話になるとは聞いていたんです。でも、台本を読んだらただのドロドロなドラマではなく、本当に純粋なラブストーリーだと思いました。読み進めるほどにいろんな登場人物がいとおしくなってきますし、胸がぐっと締め付けられるような良いシーンが多いんですよ。だから、『これは見ていて飽きないな。とんでもない脚本と巡り合ったな』と思いましたね」

―造り酒屋の蔵人役ということですが、どのように役作りされたんですか?

「実際に日本酒の作り方などを酒蔵に見学しに行きました。やっぱり理解しているのとそうじゃないのとでは、言葉の重みも違ってくるじゃないですか。『麹菌がどうだ』とか、そういう言葉1つでも、麹菌にどういう作用があるのかとか、どれだけ大事なものなのかとか、そういった理解はドラマにも生かされていますね」

―舞台である飛騨高山でのロケはいかがでしたか?

「本当に風情がありました。本当に優しくて良い人ばかりで、『もう1回行きたいな』って思っています。ロケは11月だったので、紅葉がきれいでしたね」

―比呂人と桜子のような「純粋な愛」についてどう思われますか?

「比呂人と桜子の恋愛は、誰もがしたいと思っているけど絶対にできないような、フィクションの世界だからこそ描ける恋愛。2人とも永遠に片思いをし続けていて、初めて会った時の感触をずっと忘れられなくて、会うたびに、触れるたびに、何年経とうが2人はずっとときめいたままなんです。だから運命的なんですよね。こんなドラマチックな恋をしてみたいですね(笑)」

―笛木さんと共演されてみて、いかがでしたか?

「笛木さんは、桜子そのままという感じがしました。すごく芯が強くて、だけどナイーブなところもある。強い面と弱い面があって、その2つが背中合わせになっている方なんだなと思いました。(笛木さんとのシーンは)本当に良い世界観で撮影できていて、周りで起こっているドロドロな展開とは全然違う雰囲気なので、(演じていて)違うドラマなんじゃないかなと感じますね(笑)。見ている皆さんにも、ほっとしていただけると思います」

―中島丈博脚本の昼ドラマには独特なせりふ回しが多いと思いますが?

「そこが僕としては一番考えた部分なんです。言いにくいせりふを言うためにはどうしたらいいんだろうって。“本気でうそをつけば本当になる”っていうふうに考えて、言いにくいせりふだからこそ、心から言って説得力を持たせる。そこにたどり着いたら、『ここはもっとこうしよう』とか、どんどんドラマの世界観を楽しめるようになってきましたね」

―演技で参考にしているものはありますか?

「毎日映画を2、3本見ています。どうしても『やるぞ!』って構えてる時って、力みすぎていることもあると思うんです。そういう時は、好きな俳優の素晴らしい映画やお芝居を見ることで、『こういうふうに見えてるのかな』って客観的に自分の演技を見ることができるし、それから台本を読み直すとまた違った見方ができたりするので、そうやって役者としての引き出しを増やしていますね」

―このドラマでお気に入りの登場人物は?

「星田(良子)監督です(笑)。監督はこのドラマに命を懸けていらっしゃって、情熱が半端じゃないんですよ。撮影の始めに、まず頭の中に考えてきたことを僕らに話してくださるんですが、今まで感じたことないくらいに本気でぶつけてくるんです。そして、情熱が先走ってテストもしてないのに『よし、本番!』って言っちゃう(笑)。そういうことが多々あるので、(共演者の)皆さんも感じていると思いますが、監督は本当に素晴らしいキャラクターをお持ちですよ」

―最後に見どころをお願いします。

「比呂人として伝えたいことは、『愛は人を傷つける。そして、それでも守りたい愛がある』ということ。(物語が進んでいくと)それまでの小さな憎しみや、さまざまなキャラクターの感情がすべてくっついて巨大な竜巻になって、ものすごい台風になっていくんです。そこで、比呂人がどこまで純粋さや比呂人らしさを保てるか。人を愛する強さというものを、どこまで持ち続けられるかというところを見ていただきたいです」