ダリの残した記録をもとに、以前から研究者の間ではこの絵の存在が知られていたが、1970年頃から実物は行方不明となっていた。それが日本で発見されたのは2015年。ダリ研究の第一人者・村松和明さんが執筆のために国内のダリ作品を調べていく中で、個人蔵となっていたこの幻の名品に行き当たった。
発見後も、展覧会に出品されることなく、図版として印刷物でのみ紹介。現物を目にした人は極めて限られている。 今回は村松さんの協力により、テレビカメラによる撮影が初めて実現した。
驚くのはその小ささで、縦6.7cm、横5.2cmという、名刺よりも小さいサイズのパネルに、ダリ独特の精細な描写で、超現実の世界が描かれている。
実はこの作品の背景には、ダリの愛妻・ガラのアドバイスが。ダリのミューズでもあったガラは「あなたの強みとする細密描写で闘っていくべき」とアドバイス。現存するダリ作品の中でも最小規模の油彩というこの作品に、ダリとガラの強い絆が凝縮されている。
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