一気に新ネタ15本! 実力派コンビ・磁石が挑んだ“漫才一本勝負”

2010/12/23 15:00 配信

芸能一般 インタビュー

DVD「磁石 漫才ライブ ワールドツアー 日本最終公演」をリリースする磁石の佐々木優介、永沢たかし(写真左から)

お笑いコンビ・磁石が、2011年1月19日(水)にライブDVD「磁石 漫才ライブ ワールドツアー 日本最終公演」をリリースする。ことし7月25日に東京・安田生命ホールで行われたこの単独公演で彼らは、約90分の漫才をノンストップで披露。結成10年にして挑んだ“漫才1本勝負”の裏話や漫才への思いを2人に聞いた。

――新作ネタを一気に15本。約90分の漫才ですが、こういうライブは?

永沢たかし(以下永沢)「初めてです。単純にネタをいっぱいやりたかったんです。それで、間に1回1回休憩入れるのもおかしな話かな、だったら続けてやっちゃおうってことで」

――途中、永沢さんがステージ裏へ水を飲みに行く場面がありましたが、事前にそういった対策は?

佐々木優介(以下佐々木)「永沢は1人でずっと言ってましたね。『水どうしよう、絶対飲みたくなる』とか…。そのときは半分冗談だと思ってたんですけど、実際に飲みに行ったんで、あ、ほんとだった、って(笑)」

永沢「実質無理ですからね、普通の人には。あんな緊張する場で。ステージに水を置いてやろうっていう案もあったんですけど、ちょっとそれは格好悪いと思ってやめました」

――佐々木さんはのどは大丈夫だったんですか?

佐々木「ネタをやる方に集中してたから、体の異変には気付かなかったですね」

――ネタ作りはいつごろから準備されていたんですか?

永沢「5月からず~っと作ってて、7月の頭にはできてました」

――一気にそんな本数を作るのも初めてだったんですか?

佐々木「そうですね。もう嫌ですけど(笑)」

永沢「1本作るのも大変ですからね」

――ネタの順番を決めるのは大変でしたか?

永沢「最初と最後だけは決めてましたけど、あとは結構適当ですんなり決まりました。同じ感じのネタが15本続くとやる方も飽きるので、タイプの違う、切り口の違うネタを入れなきゃいけなかった。そういう意味ではしんどかったですね」

――通してのリハーサルは何回やったんですか?

永沢「1回しかやってないです」

佐々木「だって90分あるんですもん。しんどいですよ(笑)」

永沢「あ、2回やってますね。当日のゲネとその前に1回やりました」

――画面上では分からないハプニングはありましたか?

佐々木「ネタが飛んだこともないし…永沢が水を飲みに行ったことくらいですね。画面上分かるのだけです」

永沢「1カ所だけネタが飛んでますけど、それは僕らじゃなくて(冒頭でステージに登場する)おじさんが思いっ切りネタを飛ばしてました(笑)」

――おじさんの登場に、お客さんの反応は?

佐々木「もうみんな、おじさんを見るような目ですよ(笑)」

永沢「キョトンとしてました。それは狙い通り」

――素朴な質問なんですが、磁石さんの漫才にはたびたび下ネタが出てきますが、ポリシーがあるのでしょうか?

永沢「『わ、下ネタだ~』みたいに言う人もいるんですけど、そこだけで見てほしくないんですよね。下ネタを言ってはいるけど、その発想や切り口を見てほしいんです。どういうふうに見られたいっていうのはあんまりないんですけど、ゲスい感じには見られても構いません。素のままというか、自分たちが面白いって思うことをやってるだけなんで、そんなに意識してやってるわけではないんですよね」

――ライブなどでは女性ファンが多いと思いますが、男性ファンからの反応はいかがですか?

佐々木「ライブの後、会場の外で待っててくれてる方の中に男性もいるんですけど。歩いてきて、すれ違いながら『面白かったです』って、立ち止まらずに言ってくれる人が多くて(笑)。でも、一言でもありがたいし、うれしいです」

永沢「うれしいですけど、あまり存在を見つけられないんですよ。女性の方はライブに来てくれたりするんですけど、男性の方は行動に移す人が少ないんで」

佐々木「だいたい隠れてますね(笑)」

――15本の中で、個人的に好きなネタはありますか?

佐々木「やってて楽しかったのは、マネジャーのネタ。もてあそばれてる、ちょっと勘違いしたタレントっていうのが演じてて楽しかった」

永沢「最後の2~3本辺りですかね。前のネタで出てきたフレーズがまた出てきたりするので、全体を1つとしても見れるなぁって。最初はそんなつもりなかったんですけど、結果的に1つのネタとして見れるようになってるんじゃないかな」

――最後に、お2人にとっての漫才の魅力を教えてください。

永沢「他人がしゃべってるのを見て笑うって、結構すごいことだと思うんですよね。定食屋さんとかで、誰か2人がしゃべってるのを聞いてても全然笑わないじゃないですか。だから、そういうところが魅力ですかね」

佐々木「やっててよかったと思うのはドカ~ンとウケた時。笑ってもらうのが心地いいから。この世界に入ろうと思ったのも、自分がしゃべることで周りが笑ってくれるのが気持ちよかったからなので…それが魅力です」