また、『となりの~』と同じ月川翔監督の『君の膵臓をたべたい』(’17)で余命1年のヒロインを演じ、一躍注目を浴びた浜辺美波(『となりの怪物くん』にもメガネっ子の委員長役で出演)は、『センセイ君主』(’18)で竹内涼真演じる臨時教諭に恋する“バカで単純な性格”のヒロイン、さまるん(佐丸あゆは)を演じており、捨て身の変顔や奇妙な動きを披露するなど、どちらの作品も女優としてのギャップがスパイスとなっている。
また、『孤狼の血』(’18)で多数の映画賞を受賞するなど、あまりコミック原作の出演のイメージがない松坂桃李も『不能犯』(’18)で、主人公のダークヒーロー、宇相吹を好演。「愚かだね…人間は」を決めゼリフに、心理テクニックによって人々を殺害。赤く光るセクシーで妖しい瞳に、不敵な笑みといった浮世離れしたキャラながらも、若手演技派である彼の怪演によって、より説得力を持たせることに成功したといえる。
1971年生まれ。TV番組制作、『映画秘宝』編集部を経て、映画評論家に。雑誌、ウェブ、劇場パンフレットなどに映画評やインタビュー記事を寄稿。
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