全国ツアー中の和牛「川西はええツッコミさんやなぁと思う」【前編】

2019/06/23 12:00 配信

芸能一般

ボケ担当の水田信二とツッコミ担当の川西賢志郎によるお笑いコンビ「和牛」が、6月18日より「和牛全国ツアー2019『いま、会いにゆきます 〜そして漫才します〜』」をスタート。今もっともライブチケットの入手が困難と言われる彼らだが、結成から今に至るまでは決して順風満帆ではなかったという。それでも歩みを止めることなく、彼らは今でも毎月2本は新作ネタを作り、劇場という戦場に挑み続けている。〝一生漫才〟を掲げる2人の、漫才にかける思い、そして相方に対する思いを語ってもらった。

和牛の水田信二と川西賢志郎撮影=諸井純二


漫才に重きを置くという根本的な指針は変わってない(川西)


――2006年に和牛を結成する前は、お二人ともなかなか相方が決まらない時期があったそうですね。その中で、今の相方と組みたいと思ったきっかけは何でしたか?

水田:相方を探すために、1カ月くらいの間にいろんな人と顔を合わせた中に、相方も(川西)もいたんですよ。それを一旦全部解散して、誰もおらん、もう1回誰か声かけようってときに相方にしたのは、やっぱり、彼が一番真面目だったから、取り組み方が。当時は僕も結構細かいことを要求してたんですけど、その中で一番真摯に応えてくれたのが相方だったんですよね。

川西:僕の場合、相方と組むまではツッコミをやっていなかったので、自分が足りてないのは分かってたんです。それに、僕も多分、かつての相方に同じように言ってた部分はあったと思うんですよね。芸人になりたてのときって、どうしても理想が高いから我が強いじゃないですか。そういう経験が下地にあるから当然やと思って。だから、求められることをしないといけないっていうのは感じましたね。

――ツッコミになることに対して抵抗みたいなものはなかったんですか?

川西:そこは特になかったですね。どっちかって言ったら、相方は絶対ボケの人やなと思ったから。全然抵抗なかったです。

水田:でも、そのころなんて、まだ芸人になりたてじゃないですか。自分もやらなあかんって思ってても、やらない人もたくさんいると思うんですよね。ただただ腹が立ってしまうとか。そうならずに、ちゃんと聞いてくれたっていうのは、人としてのモチベーションが高いと思うんです。そこは選んだ。そこがもう1回誘ってみようと思った大きい理由やと思います。

川西:僕自身もピンでやるっていうのは考えてなかったので。コンビでネタをしたかったから、2回目に誘われたときも、じゃあやろうって。

水田:ヤッター!って言ってなかった?

川西:ヤッター!って言って走り回ってたかもしれない(笑)。

水田:受話器の向こうで、ガチャガチャ、ガチャガチャって走り回ってる音がしてましたけど。

川西:えーっと。どうですかね(笑)。

撮影●諸井純二


――結成から13年が経ち、そのときの自分の選択は間違っていなかったと思ったのはいつごろのように思いますか?

水田:やっていく中で、じんわり思っていったようなコンビだと思いますね。

川西:じんわり、じんわり。一緒にネタの話をしたり、ライブに向けてネタ作りを一緒にやったりしてる中で、自然に楽しくできたりする時間の割合が増えていったときとかじゃないですかね。

水田:何か、ネタのこだわり方とか、人の何かを見たときに思うこととかが似てたりすると、「あ、やっぱり」みたいな。だから、コンビの歴史を仮にグラフにしても面白くないコンビだと思います(笑)。

川西:そうですね(笑)。

水田:大きな転機みたいなのは別になくて。ちょっとずつ、ちょっとずつ、浅めの階段を上がって来た感じ。今キャーキャー言ってくださる人もいますけど、俺らがこんなことになるんや、みたいな。

川西:芸人になりたてすぐくらいのころは、売れる=キャーキャー言われることやと思って、そうならなきゃあかんのかなと思ってましたけど…。途中から、そういうことじゃないし、自分らはその路線ではないなって。

水田:そう。やってることも変わってないから、(キャーキャー言われるのが)不思議やなぁって。

川西:根本的な指針っていうのかな。〝漫才に重きを置いてます〟というのは変化してないですからね。