欅坂46平手友梨奈主演のあの作品も!映画アドバイザー・ミヤザキタケルが厳選した7月初放送映画3作品<ザテレビジョン シネマ部>

2019/07/01 07:00 配信

映画

「僕のワンダフル・ライフ」(‘17)


『僕のワンダフル・ライフ』(C) 2017 Storyteller Distribution Co., LLC and Walden Media, LLC. All Rights Reserved.


最後に紹介するのは、W・ブルース・キャメロンのベストセラー小説「野良犬トビーの愛すべき転生」の映画化作品。生まれ変わりを繰り返す犬がかつての主人との再会を願う姿を通し、人間と犬の関係性、動物が人間に与えてくれるモノを描いた作品です。

動物を飼った経験がある者ならば、きっと引き込まれてしまうはず。人間のような思考をして、命を繰り返す犬ベイリー。実際に彼らが何を考えて生きているかなんて誰にも分からないけれど、劇中のように僕たちのことを想っていてくれたのなら、飼い主と再会すべく命を繰り返していたのなら、本当に素敵なことだなと。また、劇中における命の法則が本当にあったとして、彼らに想ってもらえるだけの関係性を築けていたかどうかを問われることにもなると思う。

動物に対して抱く想い。それは人間に対して抱く想いと何ら変わらない。命の重みは人間も動物も皆対等。であるにもかかわらず、僕たちはつい忘れてしまう。保健所にいる動物の価値は低く、ペットショップにいる動物に対してはより高い価値を見いだしがち。血統、種類、ルックスで判断し、命の重みはなかなか勘定には入らない。そりゃきれいでかわいい方が良いに決まっているが、それが殺処分されるか否かを決める理由になってしまうのはおかしい。人間だって家柄、職業、ルックスで判断されがちだが、さすがにそれで殺されたりはしない。

が、僕たちは彼らにそれを平然と強いている。か弱き動物は、人間が定めたルールの中でしか生きられない。だから、ひとりひとりが自覚や責任を持つことでしか動物たちは救われない。ファンタジーの度合いが強いフィクションで、大いに泣ける感動作でありながら、彼らと向き合うために必要不可欠な戒めを突き付けてくれる作品でもあると思います。

一見、ライトに見えて、実は深いテーマを内包する3作品と共に、今月も素敵なWOWOWライフをお過ごしください。

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