――カナコは幼いころに母に捨てられ、孤独を抱える少女という役どころですが、孤独感や虚無感を感じられることはありますか。
あります。14歳ぐらいからこのお仕事を始めましたが、それまで生きてきた世界とは比べるものが格段に広くなって、自分の居場所を考える機会が多くなりましたね。例えば映画だったら、1カ月半みんなで固まって終わったら解散する。みんなまた違う旅に出るような感じで、結局わりと孤独なんですよね。他のお仕事でもそういうことを感じられることがあると思うんですけど、女優って一つのピースにならなければならないので孤独だなと感じることも多いです。モデルのころよりもそれは多いのかなって思います。あとは一人でいるときと人前に立つときとのギャップがすごくありますし、期待に満たないときに「私、これからどうしたらいいんだろう」っていう不安ももちろんあります。いろいろな面でそういう思いはありますし、今でも難しい仕事だなと思いながらやっています。
――孤独感を抱えるカナコが自分らしく生きようと変わっていく姿も描かれます。玉城さんご自身が「自分らしく生きること」を見つめたことはありますか。
やっぱり仕事の場で感じることが多いですね。いろんな監督さんとお話させていただくと、私よりも私のことを知ってくれていたりする場合があるんです。人から聞かされて気付くということを積み重ねて、自分で決めるというよりは周りの人から決めてもらってそうなるという感じがしています。
上京したときと、高校を卒業したときも大きかったです。沖縄から出てきて、ここで生きていくしかないという状況になったときに、覚悟は決まったかなと思います。学生が終わるときに、この道一本でいこうというのも決断でした。自分の職業として、あらためて考える機会になったと思います。
――「Diner ダイナー」もそのきっかけの一つになりましたか。
それはもちろんなりました。撮影時は20歳だったんですけど、20歳でこの作品を経験できたことは奇跡みたいなことだったと思います。蜷川さんも14歳からお仕事でご一緒させていただいてますが、20歳のタイミングでお声掛けいただいたことも運命だと思いますし。いろんなことが重なったと思っています。
取材・文=Rum
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