「君の名は。」('16年)の新海誠監督が3年ぶりに手掛けた新作アニメーション映画「天気の子」。参加者2000人を超えるオーディションが行われ、主人公・帆高に醍醐虎汰朗、ヒロイン・陽菜に森七菜が抜てきされた。
醍醐「最初はあまり実感がなく、信じられない気持ちでした。発表記者会見のときになってようやく本当に僕に決まったんだと実感し、一気に喜びが込み上げてきました」
森「私も信じられなかったです。新海監督の3年ぶりの新作で、まさかヒロインに選ばれるとは思っていなかったので、マネジャーさんに『本当ですか?』と何度も聞き返したのを覚えています(笑)」
醍醐が演じるのは、離島から家出して東京にやって来た高校生の帆高。森は彼と出会う女の子で、弟と2人で暮らしながら“祈る”ことで空を晴れにできる不思議な力を持つ陽菜を演じた。
森「一番最初に新海監督から『天気みたいな子、というところが似ているね』と言われました。確かに私は気まぐれなところがあるんですよね(笑)。あと、陽菜は笑っているかと思いきや寂しそうな顔をしていたり、怒っていると思ったら急に笑いだしたり、それこそ天気みたいにコロコロ表情が変わるんです。そういう天真らんまんさが陽菜の魅力でもあって、私も似たようなところがあるので、演じていても共感しやすかったです」
醍醐「僕自身は帆高とあまり似ているとは思ってなくて…」
森「でも、新海監督は最初から醍醐君は帆高だなと言ってたよ」
醍醐「確かにアフレコ初日に新海監督から『醍醐君は帆高であって、帆高は醍醐君だよ』と言っていただいたのが印象に残っています。その言葉によって、プレッシャーとか不安が吹っ切れたところがあったので。なので、僕と帆高が似ているというよりも、この映画を通して帆高と一緒に成長させてもらっている感じがしています」
もともと新海監督作品のファンだったという2人。その魅力を聞くと、それぞれ熱く語ってくれた。
醍醐「僕は『秒速5センチメートル』('07年)が好きでした。アニメーションなのに人間のやるせない感じとか、リアルな感情が描かれていて、『秒速―』を見た後はしばらくぼーっとしてしまいました」
森「私はオーディションのときに監督にも伝えたのですが、『言の葉の庭』('13年)が好きです。人間ドラマがリアルだと思いました。あとはやっぱり映像の美しさですよね。アニメであることに意味のある風景や、新海監督にしか描けない世界があると思います。でも、今は『天気の子』の世界にぞっこんです(笑)」
醍醐「もしできるなら、新海監督の頭の中をのぞいてみたいよね。天気をテーマにこれだけの物語を作れるのはすごいなと思います」
陽菜が持っている天気を操れる不思議な力。2人が何か力を得られるなら、どんなものがいい?
森「時間を戻せる力があったらいいなと思います。そのときの記憶を持ったまま、ちょっとした後悔をした瞬間とかに戻ってやり直したい(笑)。大きく戻ってしまうとタイムパラドックスが心配なので、ほんの少し戻れるだけでいいです」
醍醐「僕は好きな子の気持ちが分かる力が欲しいです。何を考えているのか、自分のことをどう思っているのかを知りたい。でも、そうすると、知りたくないことまで見えてしまいそうだから、やっぱり力はなくていいやと思います(笑)」
取材・文=馬場英美
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