結成初期のフォークロック。ハードなサウンドを強めていった2年目。ポップな曲とダンスパフォーマンスを取り入れていった3年目。オケも入れ、自由なサウンドで弾けた4年目から5年目。メンバーの成長が楽曲の質を上げ、数々の名曲を作り上げてきた。魚住有希はコンポ―サーとしての実力を早くから発揮し、ハロー!プロジェクトに曲提供を行うまでに。岡田万里奈、宮澤茉凜も良曲を書き、田中れいなは作詞に加え、アレンジの才能を光らせもした。
惜しむらくは、その名曲の多くが未音源化であることだ。結成当初からLoVendoЯの兄貴的存在となり支えてきた中島卓偉の提供曲、メンバー自身の作詞作曲のオリジナル曲が埋もれた名曲となってしまっている。これらはライブ音源からでも形にしてほしいところであり、田中のソロ活動でも歌いつないでいってほしいとも思う。なお、結成当初、バンドサウンドの勉強のためにと用意された70年代フォークソングのロックアレンジのカバー曲は、その方向性にファンから疑問の声が上がることがあったものの、アレンジの完成度は素晴らしいものだった。
いきなりのプロ活動、モーニング娘。でエースを張っていた田中への気後れも大きかったであろう岡田、魚住、宮澤の頑張り。自分からはなかなか口にせず、3人から語られることが多かった田中の陰ながらのサポート。
田中自身はモーニング娘。時代からの環境の変化、経験のないバントセットに戸惑うことが多かったと明かしているが、3人と打ち解け、ステージングにメンバー意見が取り入れられるようになってからは、「LoVendoЯでの音楽活動が楽しい」と、生き生きした笑顔で答えるようになっていた。
言葉遊びと取られるかもしれないが、「解散」ではなく「休止」で発表されたことには意味があると思いたい。願わくば何年後かであっても、再び4人がステージに並ぶ姿を見たいものだ。
ソロ公演を重ねている田中はもちろん、宮澤も「何処かのライブハウスできっとギターを弾いています」と音楽活動は継続する旨をツイッターに投稿。2019年7月30日(火)、東京・渋谷TAKE OFF 7にて、宮澤のLoVendoЯとしてのラストライブ「全ての人に感謝を込めて」が開催される。
文:鈴木康道
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