デビューから快進撃を続けてきた6人組の“楽器を持たないパンクバンド”BiSH。活動5年目に突入する彼女たちは、これまで「横浜アリーナ」や「幕張メッセ」でのワンマンライブを成功させたほか、ロックフェスへの出演や、名だたるロックバンドとの対バンを多数行うなど、音楽シーンにおいて独自の存在感を放っている。
そんな彼女たちが、メジャー3rdアルバム「CARROTS and STiCKS」をリリース。BiSHの過激さ、攻撃性を前面に打ち出した「STiCKS」EPの4曲、明るさ、ポップさを前面に打ち出した「CARROTS」EPの4曲を含む全14曲が収録され、BiSHの過激さとポップさの両面が凝縮されたアルバムになっている。リード曲「DiSTANCE」は杉野遥亮初主演連続ドラマ「スカム」(毎週日曜夜0:50-1:20、MBSほか)のエンディング曲に起用されている。
4人がソロデビューを果たすなど個性あふれるメンバーの中で、作詞を数多く担当し、複数の媒体で連載を持つなど、その文才を発揮しているのがモモコグミカンパニーだ。読書家としても知られ、彼女がBiSHの歴史や活動する中での葛藤を綴った著書「目を合わせるということ」は発売から約1年半で7刷が決定している。
本作では、「CHOP」と「まだ途中」の2曲をモモコが作詞。今回、この2曲の歌詞に込めた想いや、彼女の作詞への姿勢、そして、BiSHとしてステージに立つことへの気持ちを聞いた。
――メジャー3rdアルバム「CARROTS and STiCKS」をリリースされました。ご自身としてはどんなアルバムになったと思いますか?
BiSHは今年で5年目になるんですけど、これまでのBiSHの生き様が全て現れているアルバムになっていると思います。今回は先に「CARROTS」と「STiCKS」っていう2枚をAppleMusicで配信していて、「CARROTS」は明るくて綺麗なBiSH、「STiCKS」は汚くてガチャガチャしていて売れなそうなBiSHの曲が入っているんですけど、今回の「CARROTS and STiCKS」は、その両面、BiSHの全てを吐き出したアルバムになっています。
――これまでのBiSHにあった二面性をより明確に打ち出していると。
そうですね。BiSHは二面性があるグループだと思っていて、アー写も「CARROTS」と「STiCKS」で全然違う表情になっています。どっちが本当のBiSHかっていうのは、お客さんの好みもあると思うんですけど、人間は暗い時も明るい時もあって、BiSHはその両方を隠さずに出しているグループだと思っています。
――今回のアルバムでは「CHOP」と「まだ途中」の2曲をモモコさんが作詞されています。
BiSHは「作詞してください」ってデモ音源が送られてきて、こちらから歌詞を送ってコンペ形式で採用されるんですけど、「CHOP」はすごく好きだなって思ったので、聴いてすぐに歌詞を書いてプロデューサーの渡辺(淳之介)さんに送りました。曲調はすごく明るくてポップなんですけど、声にはディストーションがかかっていて、それが今のBiSHっぽいなって思っています。歌詞は「意味なく死にたくなる」とか「掃き溜め戦争」とか暗い感じなんですけど、曲調がアップテンポなので、そんな歌詞でも暗くなりすぎない曲だなって思います。「CHOP」のテーマは「BiSHの楽屋」で、全く個性の違う女の子たちがほぼ毎日一緒にお仕事をしていて、みんなとお話ししたい子もいれば一人になりたい子もいるんですけど、それが一個に束ねられている今の楽屋の状況がすごく面白いなって思って書きました。
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