「電波少年」シリーズ(1992~2003年)や「ウッチャンナンチャンのウリナリ!!」(1996~2002年)など、数多くのヒット番組を手掛けてきた“T部長”こと日本テレビの土屋敏男氏の企画・プロデュースによるライブエンターテインメント「NO_BORDER」が、7月7日(日)から大阪のCOOL JAPAN PARK OSAKA・SSホールで開催。
その日来場したお客さんを、会場内に設置されたパナソニックの最新3Dスキャナでアバター化。ステージが始まると、画面の中で、お客さんのアバターが音楽に合わせて華麗なダンスを踊りだす…という、その名の通り国境・世代・性別全ての“ボーダー”を越えて、誰もが楽しめる新感覚のライブショーだ。
ザテレビジョンでは、この画期的なライブエンタメの全貌を解き明かすべく、土屋敏男氏を直撃。企画を思いついたきっかけから、公演の実現に至るまでに苦労した点、さらには今後の展望まで、「NO_BORDER」に懸ける思いを語ってもらった。
――3Dスキャナで観客のアバターを作って、みんなで踊る。とても面白い発想ですが、そもそもこの企画を思い付いたきっかけは?
土屋敏男:今回は、自分からこういうものをやりたいと企画を考えたわけではないんです。まず、吉本興業の方から、大阪城公園の中に新しい劇場ができるので、そこで何かやってみないかというお誘いを頂いて。で、そのCOOL JAPAN PARK OSAKAという新劇場は、アジアをはじめ海外のお客さんもたくさん訪れる劇場にしたいということだったので、インバウンド的なコンテンツがいいだろうと。具体的に言うと、言葉を使わなくても楽しめるものがいいんじゃないか、というところから始まったプロジェクトなんです。
――3Dスキャナとの出合いは?
土屋:「何か考えて」と言われたものの、すぐには動き出さなかったんですよ。そんなときに、たまたまAR三兄弟の川田十夢さんがやっているラジオのゲストに呼ばれて、「一緒に何かやりましょうよ」と誘ってもらって。そこから、川田くんにいろいろな所に連れて行ってもらう中で、3Dスキャナと出合いました。そのとき、スキャンされたアバターが走ったりするのを見て、驚いちゃってね。これはすごいぞと思って、川田くんに「これ、踊ったりもできるの?」って聞いたら、「できますよ」と。だったら、この3Dスキャナを使って、お客さんたちと何か面白いことができるんじゃないかと思ったわけです。
ただ、そのときに見学させてもらった3Dスキャナはドイツ製だったんだけど、あんまり売れなかったみたいで、しばらくして市場から撤退しちゃったんですよ。でも、そのとき一緒に開発に携わっていたパナソニックが、その後も研究を続けていて。かつては、人をスキャンしてアバターにするまでに丸一日かかったらしいんだけど、今の3Dスキャナなら5分でできると。その早さだったら、ライブで使えるねという話になったんです。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)