―― 一方、高橋さんも第1期に続いて、ED主題歌を担当されていますね。1期と同じく、高木さんが過去の名曲をカバーするというスタイルになっています。
高橋李依:2期の放送が始まるまでは、「今度のEDは誰が歌うの?」って、視聴者の皆さんは結構ザワザワしていたと思うんですけど。私としては、放送までは言えずにいたので、皆さんをからかっている感じがあって、正直ちょっと楽しかったです(笑)。もちろん、期待してくださっている声は私にも届いていたので、早く言いたいという気持ちもあったんですけどね。
やっぱり、1期のED曲を多くの方々に楽しんでいただけたことが、今回につながっていると思うので、それが何よりもうれしいです。1期のレコーディングのときは、「高木さんって、どんなふうに歌うんだろう?」ということを、音楽チームのみんなとずっと討論していたんですね。そうやって考え抜いた結果、出来上がった曲が、皆さんにちゃんと届いたんだと思うと、頑張ってよかったなって思います。
――EDの楽曲群は、カバーソングであり、キャラクターソングでもあるわけですが、高橋さんとしては、あくまでも“高木さん”として歌うことに徹しているわけですか。
高橋:はい、何よりもそれを第一に考えました。過去の曲をカバーするときって、歌い方だったり、しゃくり上げ方だったり、どうしても原曲のアーティストさんに寄せたくなっちゃうんですよ。でも私の中では、高木さんという女の子はストレートな感じで歌うイメージがあるので、レコーディングのときも、できるだけ肩の力を抜いて歌いました。
もしかしたら“歌う”というより、“演技をしている”という感覚に近いのかもしれませんね。皆さんがED曲を聴きながら、高木さんがカラオケで歌っている姿とか、それを西片たちが聴いている姿が頭に浮かんできたら、声優というお仕事をやっている甲斐もあるなって思うんです。キャラソンって、そこが一番楽しいところなんですよね。
大原ゆい子:実は私、李依さんが2期のED曲のレコーディングをしているスタジオに、ちょっと遊びに行かせていただいたんですけど…。
高橋:そうそう。来てくださったんですよね。
大原:李依さんはどんなふうに歌っているんだろうって、すごく興味があったので。それで、実際に見てみたら、李依さんの目の前の譜面台に、高木さんの絵が貼ってあったんですよ。
高橋:そうなんです。高木さんとして歌うときは、高木さんの表情を見ながらでないと歌えないので、レコーディングスタジオに高木さんの表情集を持ってきてるんですよ。譜面台に楽譜と歌詞を置いて、その上にクリップで表情集を留めて、歌っているときに常にいろんな表情の高木さんが視野に入るようにしていて。“この歌詞は、この顔”みたいな感じで歌ってるんです。
例えば、高木さんって、口を大きく開けて笑うときって口角がキュッと上がるんじゃなくて、丸みを帯びた柔らかい口元になるんですね。そういう口の形のときに出る母音を、歌にも落とし込めたらと思って。
大原:今お聞きしていて初めて気付きましたけど、確かに高木さんって口角を上げているイメージはないですよね。今日家に帰って、改めて聴いてみます(笑)。
キャラクターに入り込んで歌うっていうのは、ここまで徹底しないと駄目なんですね。すごいなぁ…。
※「からかい上手の高木さん2」SP対談「高橋李依×大原ゆい子」後編へつづく
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