――脚本と演出を担当された内田英治氏の印象を教えてください。
内田監督は映画監督なので、やたら「他の民放のゴールデンとかプライムではどうやって撮影しているんですか?」と気にされていました。オイラもムロも「こんなもんですよ」って。でもテレ東の“ドラマ24”は実験枠だと思うので、コンプライアンスにあまり気を使い過ぎず、「怒られたら謝りましょう」という感じでやっています(笑)。
じくじたる思いをしたのは、組長が助手席に乗るシーンがありまして。普通、後部座席に乗るのでありえないんですけど。自分でドアを空けて、自分で閉めてシートベルトをするっていう。こんなに威厳のない組長はいないですよね。台本も、現場でコロコロ変わっていたんですけど、監督は「気持ちよくやってください」といった感じでした。
――撮影中、テレ東の深夜ドラマらしいと感じたことはありますか?
日が暮れてからの巻き方ですかね。民法のゴールデン帯のドラマが「このペースだと夜中の2時、3時になっちゃうけど、丁寧に撮っていこう」となるところを「もう次のカットなし!」「このシーンは繋げちゃえ!」みたいな。
つながりでいうと、いつもドラマの撮影で思うんですけど、「腕時計を9時20分に合わせてください」とか言われるんですけど「見てないよ」って思います(笑)。もちろんちゃんとやりますよ。でもお茶の間の皆さん、ここ(時計)見てます?田中圭見てるだろ!って。「ビール足しま~す」とか見てないでしょ?
――岩切は義理と人情に厚く、狛江を助けていきますが、古田さんも先輩に助けられたエピソードはありますか?
反面教師も含めていっぱいあります。ある先輩が、監督の撮影法で「あれ?」と思うことがあって、「やるけど、画的におかしくない?」と監督に言っていたんです。後からオイラが「食いつきましたね」と話しかけると、「おかしくない?でもやるよ。俺たちの仕事は覚えてきたせりふを言えば帰れるんだから」って言っていたんです。
「その通りだな!!」と思いましたね。自分の気持ちはどうでもいいんだ、みんな早く帰れることが幸せだということです。後輩に伝えていきます。あ、柄本明さんです。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)