──今までの作品とは、役作りの仕方も違いますか?
磯野大:全然違いました。セリフの”間”とか、今は本当に勉強になっています。難しいけど面白いし、すごく勉強になるので今はお芝居がすごく楽しいです。お芝居って、キャストが全員がむしゃらに本気でやっているので、生きてきて初めて本気になるのってかっこいいなって思って。そういう風に思わせてもらえる人たちと芝居を経験させてもらえたっていうのはすごく貴重だったなと思うんです。
大小様々な劇場での芝居を経験して、広い劇場だと表情の変化やセリフもゆっくりの方がいいし、狭い劇場だと本の渡し方とか、目の視線の細かい所作も見られるんだなって実感しました。
──俳優を始めて役作りを意識する中で、日常に変化はありましたか?
磯野:見る映画が変わりましたね。それまでエンタメ作品が好きだったんですけど、芝居の“間”に注目するようになってからは、黒澤明監督の作品とか過去の作品も見るようになって。意図的に仕事を入れない時期を作って、來河と月に50本くらいの映画をずっと見ていて。「時計じかけのオレンジ」(1971年)、「気狂いピエロ」(1967年)など今まで触れてこなかった作品も見るようになって。他人にもお薦めできるというか、特に「気狂いピエロ」は、白黒なんですけど色が鮮やかに見えるんですよ。最近は「セッション」(2015年)ですね。お薦めの映画はTwitterに不定期で書いているので、ぜひフォローしてチェックしてみてください。
取材・写真:岩永聡美
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