――「M-1グランプリ」(テレビ朝日系)など、新たなコンビがどんどん台頭してくるという漫才界の状況は依然として続いていますが、お二人にとって、若手コンビの存在は刺激になりますか?
タカ:「M-1」に出ている段階のコンビって、当然ネタを披露する機会が多いじゃないですか。だから、漫才に対しては現役バリバリの感じなんですよね。そこへいくと、われわれの場合、以前よりは劇場の出番は減ってますし、テレビの仕事の合間に、ちょっと久しぶりに漫才をやる、みたいな感覚なんで(笑)。要するに、技術的なところでは、僕らよりも毎日やってる若手の子たちの方がうまいに決まってるんですよ。それだけに、刺激にはなりますけどね。「あぁ、こういう感じのネタもいいなぁ」と思ったり、「こうしたら俺らのネタと同じだな」とか、「こういうふうに変えたら分かんねえだろうな」とか…。
トシ:「分かんねえだろうな」ってそれ、パクろうとしてるじゃねえか(笑)。まぁやっぱりね、「M-1」を目指してる(芸歴)10年目くらいの時期って、一番脂が乗ってるときですから。僕らもそうでしたけど、漫才が楽しくてしょうがない時期というか。
タカ:「M-1」の漫才って、“競技漫才”なんですよね。4分間の中に、どれだけたくさんの笑いを詰め込めるか。でも、われわれが今回のツアーでやる漫才は、時間制限もなく、お客さんを漫才のネタの世界に引き込んでいくような、気楽に笑ってもらえる感じなので、やっぱり「M-1」の漫才とは別物というか。これからは、おじさんにしかできないような、僕たちの人柄が出るような漫才を目指していきたいと思ってるんで。
――では、最近お二人が注目している若手の漫才コンビは?
トシ:みんな面白いですよ。去年の「M-1」で優勝した霜降り明星もそうですし、和牛もかまいたちもジャルジャルも、僕らが賞レースに出ていた頃とは、レベルが違うというか。こんなにスタイルが多岐にわたっているのに、どのコンビもしっかり器用にやっていて、みんなすごいなぁって素直に思います。
タカ:いや、面白さでいったら、俺たちの時代の方がレベルが高かった! それはもう間違いなく! だって今の若手は、僕たちを見て育ってきたやつらだから。
トシ:だから、俺らの漫才を見ていた若い子たちが、さらに新しい形にレベルアップしてるってことじゃないの?
タカ:違う違う! 俺たちの時代の方が…。
トシ:負けてるんだよ! そもそも俺ら、(「M-1グランプリ2004」で) 4位だったじゃねえか(笑)。
タカ:そんなことない! 笑い飯のWボケを見たときの衝撃、今の若手にないでしょ!?
トシ:この人(タカ)、どうやら「M-1」の審査員をやりたいみたいなんですよ。朝日放送さん、オファーしてやってください、悪いやつじゃないんで(笑)。
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