さらに逆の立場で、辻の子ども時代に父親とはどんな存在だったと尋ねられると、「僕の父親はすごい怖い人で、厳しい人だった。父親に抱かれて遊んだ記憶がなく、モーレツ社員だった。その代わり、母親が哲学的なことを言う人だった。いたずらっ子で、親戚にいたずらをして、怒られていたりしたけれど、母親は怒らなかった。僕を叱ることよりも、何か光るものがあるから、ユーモアで人を感動させるようにと言われた。詩を作ったときに母親に見せて、褒められてうれしかった。だから、自分も同様に息子には怒らないし、息子もできた作品を僕に送って聴かせてきてくれる」と子供の頃の経験が、今の子育てに生かされていると振り返る。
本作のテーマである学ぶことについては「生涯学習で100年の時代に入った。定年が65歳であれば、残りは35年ほどある中で、学ぶことが大切だと思う。人生、老いないために続けることで脳は活性化するし、未来も開けていくと思う。ウィリアムが風車を作りあげたことで電力が供給されたし、一番いいことはウィリアムの周りの人たちも、風車について知り、学ぶことができた。いつまでも、いくつになっても学ぶことができることを、この映画は教えてくれる」と独自の視点で学ぶことの大切さを語った。
現在はアメリカに在住し、マラウイに貢献するビジネスを手掛けているウイリアム氏にも触れ、「息子もウィリアムのように、将来日本とフランスをつなぐ仕事をすることが夢だと言っている。未来に絶望せず、自分たちが生きる環境をつくっていきたいんだと話している。若い世代は絶望や悲観的な視点ではなく、常に希望を持っていると思う」と若い世代に向けた思いで締めくくり、イベントは幕を閉じた。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)