カメラマン・東麟太郎は、父・日登志の葬儀のために故郷へ帰ってきた。姉の美也子と準備をする中、母・アキコが、通夜ぶるまいは自分で作ると言い出した。
やがて運ばれてきたのは、目玉焼き。親戚たちがざわつく中、麟太郎は気が付く。「これ、親父が初めて作ってくれた、料理です」。
懐かしい手料理を食べるたび、思い出が麟太郎たちの脳裏によみがえってくる。20年前に父と母が再婚した日、連れ子の兄・シュンと5人で暮らした日々のこと…。
止まっていた家族の時が今、ゆっくりと動き出す。
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