小栗旬、映画「人間失格」で見せた“ダメ男”ぶりに「嫌いにならないでね」

2019/07/26 16:42 配信

映画

ジャパンプレミアに登壇した蜷川実花監督、二階堂ふみ、小栗旬、沢尻エリカ、成田凌(写真左から)※提供写真

9月13日(金)公開の映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」のジャパンプレミアが7月25日に都内で開催され、主演の小栗旬沢尻エリカ二階堂ふみ成田凌らと蜷川実花監督が登壇した。

天才作家・太宰治が死の直前に完成させた「人間失格」は、累計1200万部以上を売り上げ歴代ベストセラーのトップを争う、“世界で最も売れている日本の小説”。

その小説よりも遥かにドラマチックだった「誕生秘話」を、太宰自身と彼を愛した3人の女たちの目線から、事実を基にしたフィクションとして初めて映画化したのが本作だ。

蜷川監督からの熱烈オファーかなっての起用に、太宰役の小栗は、「うれしかった」と素直な心境を吐露し、「出来上がった脚本を読んだら大変そうだったけれど、これをやらなかったら役者としてどうなの?と思うくらいの脚本だった。参加して良かったし、楽しかった」と語った。

ただ、3人の女性との間で苦悩する役どころでもあることから、「楽しい半分、しんどい半分。沢尻さんとはすてきなラブストーリーをやらせてもらい、ふみちゃんとはドロドロした時間を過ごした」と撮影を振り返った。

さらに、家族団らんのシーンでは「太宰はたくさんの人を裏切っていくので、精神的にしんどくなっていって、家族と一緒にいるシーンでは2人の子供がかわいくて…。『お父さん出かけて来るね』と自宅を出ていくときは心が痛くなった。しんどかった」と、役を通して精神的なダメージを受けているようだった。

作家志望の愛人・静子役の沢尻は、「自分の感情や欲望に貪欲な女性。私も演じていて楽しかった」と笑顔を見せ、蜷川監督とは主演映画でタッグを組んでいることから「どんな重い役が来るのかと思ったけれど、そんな要素は全然なくて、終始楽しい!で終われました」と報告した。

蜷川監督から、「まあまあ大変な役だけどね……」と言われると、沢尻は「苦しい部分もあったけれど、恋をしてハッピーな感情だったので、恋をしている気分が勝った」と喜色満面だった。

太宰の最後の女・富栄役の二階堂は、「ジメジメしていたかなぁと思う」と重い系女子役を自称しつつ、「でも旬さんが圧倒的で、現場に現れただけでその場の空気が変わるような存在感があった」と、小栗の演技力と座長ぶりを称賛。

若手編集者・佐倉潤一役の成田は、「太宰を尊敬すると同時に大軽蔑するという両極端な気持ちを持ちながら、太宰を支えていくという役柄」とキャラクターを説明した上で、「撮影中は小栗さんが目の前に立ったらそこに飛び込むだけだったので、気が楽でしたね」と小栗に全幅の信頼を寄せて撮影に臨んだことを明かした。

一方の蜷川監督は、太宰の正妻・美知子を演じた宮沢りえについて「りえちゃんが現場に入るとその場の空気が変わる。家庭のシーンで子供たちの力をフィルムに焼き付けてくれた手腕がすごくて圧倒的でした。次も必ずご一緒したい」と早くもラブコールを送っていた。