――撮影終わりに飲みに行くなどプライベートで交流はありましたか?
ムロ:監督はいろいろ作業されていたのですが、1回だけ行くことができましたね。
内田:普通、プロデューサーや監督と飲みに行こうとなって、じゃあ若いスタッフも一緒にってなるんですけど。ムロさんは逆で、若い子たちと行こうって盛り上がって「監督も来れば?」ってなる。
ムロ:あれ?逆なの!? 今、現場で若いスタッフ多く活躍していますからね。監督とは、飲みの場ではなく、撮影の合間にいろんな話をしました。理想のお芝居についてや、海外で反響がある映画とか、日本映画もこうなるといいよねとか。短い空き時間でも話が盛り上がって、それで対談したいねってなったんです。
内田:役者さんとそういう話をする機会がないので、空き時間の少しの会話も新鮮でした。
――ムロさんから見て、内田監督の魅力を教えてください。
ムロ:現場の空気はギスギスしないですし、かといって馴れ合いでもないです。監督とカメラマンが互いに信頼しあっていたので、芝居のことは監督に聞いて、画のことはカメラマンに確認していました。監督とスタッフさんと作り上げたシーンは楽しかったです。
内田:テレビを中心に携わっている人たちと違って、これが最後だと思ってやっています。僕以外も、普段映画をやられているスタッフが多かったので、ドラマの仕事は最後かもしれないから頑張ろうと意気込んでいました。
ムロ:あと監督は、僕が小声でぼそっと呟いた言葉や小さな演技も使ってくれるんです。それは「僕こんなこと言っていたんだ」って、見ていて楽しかったです。
内田:僕は役者と芸能人は違うと思っています。両方兼ね備えている方もいますが、役者は演技をする技術者なんです。カメラで撮影をする、照明を当てる、演技をするというそれぞれの技術者が集まって作品ができます。その技術をムロさんは備えています。
「Iターン」を見ていただければ、ムロさんが“本物”だということが分かります。ムロさんと海外の映画祭に行きたいです。
ムロ:目標が一つできました。内田作品で海外に行く!
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