赤の流星、唯一無二の濃密な“再演”で最高の夜に

2019/08/05 10:37 配信

アイドル

美しい2人の振り撮影=永田正雄


「In The Wonderland」へ!


会場がほっこりした後は、TPDの原点の1つ「東京パフォーマンスドール PLAY×LIVE『1×0』(ワンバイゼロ) エピソード2」の劇中歌で、上西&脇コンビにとって最初の一曲となった「In The Wonderland」の強めなイントロが流れ出し、すぐに察したファンから「うぉー!」という歓声が上がる。

1回目のワンマンには行ってないこともあり、初めて生で見たこの楽曲。じょにーのヘッドロールでポニーテールが揺れる中、振り付けもどこか演劇感があるし、ちょっぴり妖艶な雰囲気を漂わせる2人。なるほどファン人気が高い曲というのが一発で分かる。それでいて全身をダイナミックに使って両サイドで力強く踊る部分もあるのだから、ぜいたくだ。

そこからライブ定番曲の「エデンの雨」をしなやかな首の使い方で歌い踊ると、おなじみの“赤い果実”が登場し、「果実」へ。

毎回そうなのだが、後ろから見ているとあの果実はどこから登場するんだろう、ってのが気になる。脇がいつも隠し持っているの?ってくらい、自然とこの曲になると現れる。

果実を挟んで抱き合う2人撮影=永田正雄


相変わらず美しいイントロと2人のコンビネーション。本当に吸盤でも付いてるんじゃないの?ってくらい手や体にピッタリフィットしている果実。ここまで仕上げるには当然並大抵の努力じゃないんだろうなというのが見て取れ、この曲のパフォーマンスを見るといつもじんわりくる。最後のキス風ポーズまで、一瞬たりとも彼女たちから目が離せないのだ。

そして画面が暗くなり転換曲「Nightmare」が流れると、2人はステージから一旦はけ、衣装チェンジ。

これまた驚いた。ただの衣装チェンジじゃなく、あの春のワンマン夜の部でオープニングに披露したジャジーなメロディーに乗せて、ジャズダンスを決めながら追い掛けっこをするような2人の姿が。観客から自然と手拍子が鳴り、それに載せて演技+ダンスをする。

なるほど、再演という形で「凝縮してお届けします!」と言っていた通り、一度のライブで春のワンマン2回分を見たような得した気分にさせられる。

そこから後半戦に突入。これまた盛り上がる「勝手にしないで!」から始まると、当然ファンのコールも気合十分。この曲こそ2人のボーカルが生きるなあと個人的には思っているのだが、明らかにこの春に聞いた「勝手にしないで!」とはいい意味で勝手が違うというか、何時間でも聴いていたいくらい心地よいボーカルがそこにはあった。

一転してAメロの“単色のボーカル”が逆にクセになる「cocolo」から、待ってました!「Into the Night~夜に落ちて~」。皆さんからも自然とイントロから手拍子が沸き起こり、この曲の人気の高さがうかがえる。正直ここもウルっときた。

と言っている暇もなく、静から動へフルスロットルでギアチェンジすると、ソロボーカルの横で一方がコンテンポラリーダンスをするいつもの展開。

シングル収録曲となったことが大きかったのか、どう見ても自信たっぷりに歌い上げる2人。ピッタリそろうダンスというより、あえてアシンメトリーな感じも出すダンスもまた味わい深いし、何よりこの曲はシンプルにカッコ良過ぎる。

いや、マジで。ここだけの話、中毒性が高いこともあって「SUPER DUPER」よりヘビロテで聴いているかもしれない。(どっちも好きだけど)

以前も触れたが、時代が時代なら天下を取れる楽曲だろう。大事に育てていってほしいなあ。うん、何様だ。

さらに畳み掛けるように「皆さんまだまだ盛り上がっていきますよ~!」という脇のあおりから、「純愛90's -Rearranged ver.-」。こちらも何度聴いても飽きの来ないメロディーラインと2人のちょっぴり物悲しいボーカルがさえ渡り、手拍子も相まって会場のボルテージはグングン上昇。カッコイイ以外の言葉が浮かばない語彙力を呪いたい。

こうなったら止められない爆発力のある2人、続く「Move On!」では「ウッホイウッホイ」の声援でクラブハウスさながらの盛り上がりを見せると、会場2F的な所で見ていた“関西シスターズ”も手すりを乗り越えんばかりの勢いで赤の流星にコールを送る。

あまりにも目立っていたのか、流星の2人もちょっぴり吹き出し気味に“ファンサービス”を送っていたような。ほほ笑ましい光景だ。

パンキングダンスの申し子(橘二葉)が見ているからか、間奏のパンキングダンスはいつも以上に激しかったような気も。

そして本編ラストは「to you」。脇がペンライトで顔を隠す姿に悶えていると、今度は上西が脇にバックハグとな…。

恐らく考え得る限り地上最強の“萌殺”能力がありそうなこの姿、もうちょっと雑に感想を言うと「マジハンパねえ」。

そんなことを考えていると「今日は赤の流星のワンマンに来てくださり、ありがとうございました。センキューソーマッチ!」と脇が軽やかに英語を交えて言い残し、本編が終了した