「初めてのソロイベントということで、この一週間ぐらいは緊張しっぱなしだったんですけど、無事にチケットも完売してたくさんの方に来ていただけてホントに、ホントにうれしいです。いつものよくばり香帆が出ちゃって『これも自分でやります。これも自分でやります』って言っちゃって寝不足気味の時もあったんですけど、達成感もあるし、今までも、そして今も支えてくださっているスタッフさんへの感謝の気持ちが本当に強くなったのでイベントをやってよかったなと思うし、ファンの皆さんがこうやってグッズを身に着けてくれていたりするとホントにうれしいです。また、できるように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします!」。
もう、これだけで涙腺崩壊なのだが、ラストの曲に行く前に語ったデビュー当時のエピソードがさらにダメ押し。
「15歳で上京してきて、中学卒業と共に親元を離れたんですけど、最初は本当にがむしゃらでした。東京だけではなく、芸能界のことも舞台のことも分からない。毎日必死に頑張っていました。実は、他のメンバーがホームシックになっている時も私は特に寂しいと感じなかったんです。何でだろうなってずっと思っていたんですけど、ふと一人になった時にホームシックになっちゃって。普通の15歳に戻った時に初めてホームシックを実感しました。
それだけがむしゃらだったんだなと痛感しました。皆さんにも夢があると思います。私にもまだまだ夢はたくさんあります。目指しているゴールは違っても、向かっている思いや悩みはみんな一緒だと思うので、これからも少しでも皆さんの支えになれたらいいなと思うし、もっともっと笑顔を届けていけるように頑張っていきたいと思います」
このメッセージの後に歌うのは、アンジェラ・アキの「手紙~拝啓十五の君へ~」。しかも、ピアノの弾き語りで。浜崎にとっては小6の頃から合唱などでよく歌っていた思い出の曲らしい。弾き語りを前に緊張しないようにと、浜崎が何やらしゃべりながらセッティングを開始。マイクの取り付けに手間取っている姿にちょっとクスっとなり、いざ弾き始めるのかと思いきや、おもむろに椅子の位置を微調整。うん? この光景、どこかで見たことがあるような…。そう“小6の浜崎香帆ちゃん”も演奏前に同じことをやっていた。“三つ子の魂百まで”というには小6だと育ち過ぎたのかもしれないが、幼い頃の性格は年齢を重ねても変わらないものなのかも。
ちょっと面白いリンクだったが、果たしてこれは計算か、それとも天然か。涙の後に笑いあり。これぞ真のエンターテインメントだ。
そして、浜崎香帆版の「手紙~拝啓十五の君へ~」。今さら改めて言うことではないが、声の張りと伸び、しっとりと歌う時の表現力。小4の時のように体は揺れていなかったが、聴く者の心を“揺らす”歌唱力は間違いなく本物だ。
最後の曲を歌い終わった浜崎は何度も大きく息を吐き「もう全部出たって感じ(笑)。皆さん、今日は1日? 半日? 違う1時間か。でも、香帆にとってはもう1日よ(笑)。皆さん約1時間のイベントでしたけど、いかがでしたか? 8年のブランクはありましたけど、12年間やっていたピアノに大好きな歌が加わると、さらにもっと楽しい! ここで終わらず、これからまた武器にしていけるよう頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします!」と、最後も元気よくあいさつ。
アンコールはなかったが、浜崎いわく「特典会までが一大イベント。特典会でお会いしましょう! グッズも買ってね(笑)」と、しっかりアピール。
こんなに充実した「夏休み」はいつ以来だろう。次は「○○休み」で会えるのか。秋かな、冬かな、それとも春? いっそのこと、TPDメンバー全員がそれぞれいろんな休みのソロイベントをやってくれたら一年中休めるのに!? と、けしからん妄想を膨らませたひと夏の思い出。
香帆さんと過ごした楽しい時間は“家宝”にして、代々大切に残していきたい。
取材・文=月山武桜
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