第3のステージ「Factory Stage(大阪はNew Stage)」の登場により、3ステージ制となったこの年、最も大きな話題を集めたのがGUNS'N'ROSES。「本当に来るのか?」という不安が当初から囁かれていた中、約50分遅れでスタートしたライブはさまざまな意味で伝説として語り継がれることに。
そんなガンズと共にヘッドライナーを務めたオフスプリングのライブでは、フロアに巨大なサークルモッシュが出現するなど凄まじい盛り上がりとなった。
また、サマソニ名物の「レジェンド」路線の始まりとも言えるこの年、IN DOOR STAGE初日の最後を飾ったSUEDEは、活動中止直前での出演。2日目のトリを務めたMORRISSEYは、現時点でこれが最初で最後の夏フェス出演となっている。
サマソニファンの間で「歴代ベスト1のサマソニ」との声が最も多いのがこの年。チケットが完全ソールドアウトとなったこの年のヘッドライナーは、ブラーとレディオヘッドという90年代UKを代表する両バンド。
中でもレディオヘッドは、当時ライブで演奏されることの無かった代表曲「Creep」を披露したことから、音楽メディアなどでも大きな話題に。現場で目撃した観客たちの中には、後々何かとマウンティングの材料とする人もいたとか(笑)。
一方、ブラーはこれが活動休止前の最後の来日となり、こちらも記念すべきライブに。また、ボーカルにイアン・アストベリーを迎え復活したTHE DOORSや、CHEAP TRICK、DEVOといったレジェンド組も貫禄の演奏を見せつけた。
東京会場では第5のステージ「BEACH STAGE」が誕生し、より多彩なジャンルのアーティストが集結したこの年、ヘッドライナーを務めたのはグリーン・デイとビースティ・ボーイズ。
これまでほとんどヒップホップ系アクトが出演してこなかったサマソニにおいて、ビースティの出演はフェスに新たな潮流を産み、NASやN.E.R.D.、JURASSIC 5といった面々がMARINE STAGEに集結。RHYMESTER、スチャダラパーという日本ヒップホップ界の重鎮たちも参戦し、フロアを大いに沸かせた。
一方、第1回でヘッドライナーを務めたグリーン・デイは、フェスの5周年を祝うかのようなパフォーマンスを展開。すっかり恒例となったレジェンド勢も、MC5(D,K,T)やTHE DAMNEDら海外勢だけでなく、細野晴臣、高橋幸宏というYMOの2人によるSKETCH SHOWも登場。円熟の演奏で若い観客を唸らせた。
ナイン・インチ・ネイルズとオアシスという、米英の対象的なビッグネームがヘッドライナーを務めたこの年。ステージも東京会場は6つとなり、いよいよサマソニ名物、見たいアーティストがバッティングする「裏被り」も深刻度を増していく。
ナイン・インチ・ネイルズは、かつてのインダストリアルサウンドからラフなバンドサウンドへの転換を圧倒的な音圧で示し、オアシスは王道のギターロックで観客を喜ばせつつ、「Don't Look Back In Anger」での大合唱を引き出してみせた。
そんな中で大きな話題となったのがTHE LA'S。オアシスがファンを公言するなど伝説のバンドとして知られていた彼らが、この年実に14年ぶりとなる来日。名曲「There She Goes」で大合唱が起きるなど、祝祭的なムードでフロアは感動に包まれた。
また、折からのリバイバルでDURAN DURAN、ECHO AND THE BUNNYMEN、RODDY FRAMEら80年代に一斉を風靡した面々も多数参戦。一方でTHE ARCADE FIRE、TV ON THE RADIO、M.I.A.といった、その後大物となるアーティストたちの初来日も印象深い年となった。
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