上西星来、愛するメンバーとの“絆”「もう一生嫌うことはないんだろうな」<TPD×TTV連載(1)前編>

2019/08/09 06:00 配信

アイドル インタビュー

衣装はもちろんWILLSELECTIONとのコラボアイテム!撮影=永田正雄


上西「どんな時も初心を忘れずに頑張っていきたい」


――2014年の6月にシングル「BRAND NEW STORY」で念願のCDデビュー。当時のことは覚えていますか?

覚えています。結成からCDデビューまで1年あったので、デビューしないままこのグループは終わってしまうんじゃないかなって思っていました。

――CDを出せないかもという不安があったんですね。

結成から1年って下積みという意味では短いと思うんですけど、でもやっぱり1年間なんですよ。

日数にすると365日。自分たちは舞台だけやって、メジャーデビューとかCDを出すなんていうことはないんだろうなって思ったりすることもありました。

「PLAY×LIVE『1×0』」の平日公演は客席がガラガラの時もありましたから。だから、CDデビューが決まった時は素直にうれしかったです。当時の活動は東京だけだったので、全国のお店で自分たちのCDが並ぶなんて信じられませんでした。

――CDデビューから5年。歌うことへの思いは変わってきましたか?

歌に対してということではないんですけど、CDデビューが決まったと知った時の気持ちを今でも忘れずに持っておかなければなって思います。あの時の自分の心の輝きとか、曲を出せる感謝とかを忘れないようにと思いながら歌っています。

デビューの日に池袋のサンシャインシティでリリースイベントをやったんですけど、ファンの方の喜んでいる顔やスタッフさんが泣いていた姿、お母さんも見に来てくれていたんですけど、やっぱり泣いていて。あの光景は自分の中で一生大切にしたい。どんな時も初心を忘れずに頑張っていきたいと思います。

――慣れることはもちろん大事だけど、慣れ過ぎてはいけないということ?

今年6月12日にリリースした「SUPER DUPER」は8枚目のシングルなんですけど、やっぱり当たり前に(CDを)出せるものじゃないんだなって。そういう気持ちは、いつまでもしっかりと持っていようと思います。

――そして、2015年には連ドラ「セカンド・ラブ」(テレビ朝日系)で女優に挑戦! 歌やダンスとは違う表現が求められる現場です。

いい意味なんですけど、なんかピリッとしていた現場だったなという印象があります。

香盤表(スケジュール表)の見方やセリフの覚え方、カット割りだったり、共演者の方たちとの接し方などを、当時のマネジャーさんをはじめいろんな方々に教えていただいて。慣れない環境なのでいつもオドオドしていましたけど多くのことを学んだ現場でした。

――自分の芝居をOAで見た時はどう思いました?

「セカンド・ラブ」に出演した年は、舞台「ダブリンの鐘つきカビ人間」でヒロイン役をやらせていただいたんですけど、稽古をする前に事務所の先輩方に手伝っていただいてワークショップをしていたんです。

それは、舞台の演技をする稽古だったので身振り手振りを大きくするお芝居を求められていて。ちょうど、その頃にドラマの撮影をしていたので芝居が大き過ぎて、見ていても違和感しかなかったです。

1話を見終わった時にふと思い出したのは、現場で監督から「芝居が大き過ぎる」って言われたこと。その時に、あらためて舞台と映像では演技の強度のようなものが違うんだなって思いました。

――アイドルとしてのグループ活動、女優業と来て、その次はモデルの仕事。子どもの頃の夢がどんどん実現していきますね。

アイドルとモデル、どっちも夢がかなっているんですよね。本当にありがたいです。「Ray」の専属モデルに決まるまでは半年間ぐらいテスト期間がありました。

オーディションみたいな感じで何回か連続で雑誌に登場させていただいて。とにかく必死に頑張りました。初めて編集部に行った時は何を聞かれてもいいように携帯のメモ帳に好きなファッションとかを“箇条打ち”したんです。

――“箇条打ち”?

携帯なので“書き”ではなく“打ち”ということで(笑)。

――素晴らしい!(笑)

どんな質問が来ても完璧に答えられるようにしました。「美少女図鑑」というページに載せていただくことになって。それが最初の「Ray」のお仕事です。めちゃくちゃ気合いが入ったのでダイエットも頑張りましたよ(笑)。

――しっかりと、準備をして臨むタイプなんですね。

めちゃめちゃ準備するタイプですよ(笑)。「美少女図鑑」の時は、カメラマンさんが以前「Popteen」で撮ってくださった方だったので、すぐ打ち解けることができました。そのおかげで現場の雰囲気も和やか。

TPDのスタッフさんも3、4人ぐらい立ち会っていたのかな。それって私1人に対してスタッフが多過ぎなんですけど…(笑)。でも、“上西星来を売りたい!”というスタッフの皆さんの熱い思いが編集部の方たちに伝わったのかもしれません。

おかげで毎月呼ばれるようになって、半年後に専属モデルになることができました。

――写真を撮られる時に意識することは?

たぶん、私は自然になれるタイプ。今、ちょっとかっこいいこと言いました?(笑)

――名言が出ましたね(笑)。自然な感じでカメラの前に立っていると。

「カメラの前に立つと違う人になるね」ってよく言われるんです。自分の中で別人になろうなんて思っていないんですけど。私はメイクにポイントを置いた雑誌でモデルをやることが多いので、このメイクと髪形のバランスだったらこういう表情がいいかなって頭の中でイメージを膨らませることはありますけど、基本的には自然体ですね。

――これからモデルさんになりたい人へ向けてアドバイスをお願いします!

私は小学生の時にモデルになりたいと思っていたんですけど、1人の親友にしか言えなかったんです。でも、TPDのメンバーとして活動を始めてからは「モデルになりたい!」って、ずっと公言していました。

そうしたら、実際に動いてくださった方がいらっしゃいましたし、ファンの方たちも応援してくれました。やっぱり、自分の夢や思いを誰かに話すことって必要なのかなって。そうすれば自分の意識も変わってくるような気がするんです。

モデルになりたいならきれいな体のラインを作るためにヨガを始めたりして自分を磨くことに努力する。私自身、何の根拠もないのにライブのMCとかで「ランウェイを歩く!」って言い続けてきて今年実現したので、自分から発信することの大切さを学びました。自分がやりたいことを堂々とみんなに話すことから始めてみるといいかもしれません。

取材・文=月山武桜