そして、高嶋は「TPDとして活動していて他のメンバーのソロ曲やユニット曲を歌ったことがないんですよ。今回やりたいことを詰めちゃったんで、私、上西星来、櫻井紗季のBABA3メドレーをお届けしたいと思います!」と語り、まずは傘を使うパフォーマンスでおなじみの櫻井のメインボーカル曲「Raining」を。
「恋」を待たずしてここで脱帽。メンバーの色がついた楽曲だったらどうしても違和感が生じてしまいそうなものだが、全くない。どっちがいい、とかではなく、どっちもいいのだが、この場では完全に高嶋のモノにしてしまった…。
続いて「恋」。これもじょにーのピンク色がついた楽曲なのに、高嶋が終わると“夏の終わり感”というか、ちょっと濃いめの恋の予感すら味わえる歌声に昇華させていて、さすがとしか言いようがない。
流れるように自分の持ち曲「be alright...」へ。これはもう何を言っても陳腐な褒め言葉に見えてしまうから逆に何も言わない。余計な形容詞は要らない…ボーカリスト・高嶋ワールドが会場に広がった、で十分だろう。
しっとりと歌い終えると、菜七トークの時間。いまだに会場の暑さがとどまることを知らないことに「こんな予定じゃない、汗のかき方…」と苦笑いしたかと思えば、「Kiss x Bang Bang!」の時にカプセルを全部投げられなかったことに触れ、再び残りを投げることに。
きれいなピッチングフォームで「私、野球部だったんです!」と言い、「一番後ろまで届けたい! でもシャンデリアに当てたら怒られる!」と笑いながら、カプセルを必死に投げた。
手を伸ばす少年を見つけた高嶋が、その子に渡そうと慎重に投げるも失敗し、「渡してあげて!」とファンに呼び掛け、ファンもそれに応えて少年に渡すというほほ笑ましい空気が会場を包むと、高嶋の“音楽遍歴”をセットリストに盛り込んだ「タイムトラベル」コーナーに。
まずは、恋愛バラエティー番組のテーマ曲だったEvery Little Thingの「fragile」。
正直、そこらの生肉がローストビーフになるくらいの蒸し風呂状態だったが、高嶋のまろやかで優しい歌い口の「fragile」によって一気に爽やかな風が心に吹き込んでくるかのようで、何とも言えない心地よさが会場を包んだ。
カバー曲だろうが、何だろうが、大勢の人の耳に届くなら何でもやるべき、と個人的には思っているので、彼女のボーカルの魅力を広く届けるためには積極的にこういった楽曲を歌っていってほしいなと、思ってしまった。
続けて彼女と縁のありそうなタイトルの映画のテーマ曲である「GLAMOROUS SKY」へ。一転して、バンドを引き連れたメインボーカルのように、強くて前向きな歌声を響かせる高嶋。
下手な人がやるとかすれてもおかしくないファルセットもきれいに決めた後は、高嶋自身大好きな曲に挙げる布袋寅泰(HOTEI)の名曲「バンビーナ」の強烈なギターイントロが流れ出す。
しっかし幅広いジャンルの楽曲をどれも安定のクオリティーで歌えるもんだ…。女性ボーカルならではのかわいらしいスパイスが効いた布袋サウンドにすっかり聞き入っていると、曲中で質問コーナーが始まる。
薄毛の悩みから柔軟剤の相談までいろいろと即答していく高嶋。最後は会場中でジャンプし、曲が終わると、今度もまた懐かしのメロディーが流れ、「キューティーハニー」だ。
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