ロックバンド・THE ALFEE(桜井賢、坂崎幸之助、高見沢俊彦)が、8月3日、4日の2日間にわたり、千葉・幕張メッセ国際展示場で夏のイベント「THE ALFEE 45th Anniversary Summer Best Hit Alfee 2019 夏の乱 『Battle Starship Alfee』」を開催。両日1万人を超えるファンを動員し、見事なライブを見せつけた。
2018年夏のイベントでは「Chateau of The Alfee」と題し、横浜アリーナの舞台に超ゴージャスな「アルフィー城」を築き上げ、ファンの度肝を抜いた。
33回目の夏イベントとなる2019年は、6月にリリースしたアルバムのタイトル『Battle Starship Alfee』をイベントタイトルにもってきた。
そのタイトル通り、ライブのオープニングは、“Battle Starship”を出航させた。3人はステージに登場するや、宇宙戦艦を模した巨大な移動式セットに乗り込む。総立ちの観客の頭上で移動する戦艦の上で奏でたのは、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」のテーマ曲だ。
以前のライブでも演奏し、華麗なアレンジと演奏力を高く評価された秀作「宇宙戦艦ヤマト」で口火を切ると、2曲目も「STARSHIP -光を求めて-」と、Starshipナンバーを連ねて、3人の宇宙空間へと観衆を連れ去る。
3曲目「Crash!」(4日公演)では、ハンドマイクボーカルの坂崎がステージを縦横無尽に駆け巡る。演奏終盤で坂崎と高見沢が背中を合わせるアクトを見せると、大きな歓声が上がった。
そして、爆音火花で観客を激しく驚かせてから、ライブのムードを熱く加速する「夢よ急げ」へ。同曲のスローパートを会場中で大合唱するシーンは、イベントには欠かせない。そうしたファンの期待にしっかりと応えながらライブは進んでいく。
8曲目、1984年のヒット曲「星空のディスタンス」を終えると、少し懐かしめの、長年のファンの心を打つ楽曲が演奏された。初日は「無言劇」に続いて1975年にリリースした彼ら2枚目のシングル「青春の記憶」。2日目は「ラブレター」に続いて「青春の記憶」のB面収録曲「真夏の夢」。
「1度も生演奏をしたことがない曲」(坂崎)が2019年幕張メッセで解禁された。初日はここからさらに1983年の「愛は想い出の中に」へと続けた。綺麗なコーラスのミディアム・ラブソングはファンの心をときめかせ、美しい思い出を鮮やかによみがえらせたことだろう。
シングル曲以外のアルバム『Battle Starship Alfee』収録曲は、ファンの前で演奏するのはほぼこれが初。お得意のプログレナンバーを聴かせて、本編のエンディングへと進んだ。
初日「Gate Of Heaven」「Musician」、2日目「ラジカル・ティーンエイジャー」「Homeward Bound~はじまりの詩」が選曲されたその流れは、THE ALFEEが長きにわたって繰り広げてきた夏の「野外イベント」をふと思い起こさせるものだった。そんなかつての汗と涙と青春の記憶を呼び覚まして、本編を終えた。
アンコールには、3人が着物に身を包んで登場。演歌歌手風のいでたちで「昭和兄弟」を名乗り、音楽コント仕立ての出し物で大いに笑わせた。着物を脱いでの「Yellow Sunshine」「D.D.D!-Happy 65th Anniversary For Donald Duck-」は、会場中で振り付けを楽しんで盛り上がる。締めはこぶしを突き上げながら「SWEAT & TEARS」を大合唱した。
2回目のアンコールは、初日「A.D.1999」、2日目「至上の愛」などが演奏された。1975年の曲から最新曲まで、年代ごとの楽曲がバランスよくちりばめられたこの夏のイベント。目撃したファンからは、久々に演奏される楽曲を聴いて「号泣」「嗚咽した」と告白する声も上がっていた。
ラストは、来場したすべてのファンに感謝の気持ちを伝えようと、広いステージを左端から右端まで疾走。そんな3人に、「走らなくていいよ~」「気を付けて!」と気遣うファンの声がとぶ。その光景はとても微笑ましく、信頼で結ばれた幸せな関係性を感じさせた。
高見沢俊彦がライブ中に語っていたように、結成45年となっても「歌もギターも進化している」のがTHE ALFEE。卓越した演奏、歌唱は冴えわたり、それを支える音響もすばらしいライブイベントだった。
そんな2日間の模様を収録したライブBlu-ray・DVDは、2019年12月29日(日)に発売されることが決定している。
そして、彼らは10月からまた秋のツアー「THE ALFEE 45th Anniversary Best Hit Alfee 2019 秋の乱 Battle Starship Alfee II」、続いて「冬の乱 Battle Starship Alfee III」と、コンサートの旅に出る。3,000回のライブ到達を目指して。
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