8月10日、日比谷図書文化館にて、亀田誠治スペシャル音楽セミナー「J-POPの未来」が開催された。このセミナーは、6月1日、2日に音楽プロデューサー亀田誠治が実行委員長となり、日比谷公園で開催されたフェス「日比谷音楽祭」のクラウドファンディング出資者向けに行われたもの。ゲストに音楽ジャーナリストでありロックフェス「VIVA LA ROCK」のプロデューサーでもある鹿野淳を招き、今年が初開催となった「日比谷音楽祭」の裏側から、日本の音楽業界に対する提言まで、会場の参加者による発言をまじえつつ様々なトークが繰り広げられた。
まずは「今、思う日比谷音楽祭」として、実行委員長をつとめた亀田誠治がフェスへの思いを語った。
「みんなの日常に音楽があることを昔から夢見ていました」と語る亀田は、ニューヨークのセントラルパークで毎年開催される「サマーステージ」が日比谷音楽祭のモデルになったと告げる。ジャンルや世代を超えたアーティストが集うボーダレスな音楽祭を目指し、入場料をとらずに運営するフリーコンサートのスタイルでフェスを行うことを目指したという。
対して、鹿野はイベントオーガナイザーとして東京でフェスやコンサートを開催するにあたっては生活ゾーンと公園や広場などの会場にする可能性のある場所が近いことや、シンプルに人が多いという厳しい条件や制限があることを指摘し、その中で東京のど真ん中の野外公園をフェス会場にすることができた日比谷音楽祭を「新たな一歩」と評価した。
亀田は、開催まで2年半かけ、行政や役所の人々と直接顔を合わせて話をしていく中で距離が近づき、協賛企業にもスーツを着て直接訪問して回ったという内幕を明かす。「思いを誰かに代弁してもらっちゃダメなんです。どんな関係を築くにも血の通ったコミュニケーションが必要だと実感しました」と、その経験を振り返っていた。
日比谷音楽祭は、2020年5月30日(土)31(日)に開催されることも決定している。参加者からは「今後も赤字を出さすに運営できるのか、持続可能性があるのか」という厳しい指摘もあった。これに対しても、サマーステージを運営するだけでなく公園の維持や様々なイベントを行っているニューヨークの「CITY PARK FOUNDATION」を参考に、専門家にアドバイスをもらいながら、具体的なアプローチを進めていると亀田は説明していた。
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