――常に難役に挑戦する印象がありますが、その時々の準備や心構えはありますか。
作品によって様々ですが、例えばドラマ「パーフェクトワールド」の場合は、実際に車椅子で生活してみて、何が大変なのかを体験しました。そして、演じる上で何が重要なのか、何を伝えたい作品なのかということを自分の中でかみ砕き準備して現場に行っていました。
――今回の作品ではどういった準備をしましたか。
本作には恋愛やSFなど、いろいろな要素が盛り込まれているので、小さい頃、僕が妄想していたワクワク感みたいなものを原動力にしました。例えば10年後のカタガキナオミが10年前の時代に飛ぶことに成功した時の「よしっ、かなった」という喜びなどは、自分が小さい頃、アニメやドラマを見て思い描いていたものを掘り起こして役に臨みました。
――作品のテーマのひとつであるピュアであり続けることについては、どう考えますか。
難しいですよね。やはり年齢を重ねて経験をすることによって、自分の中に疑いの感情などが出てきたりするし、ある程度知識がついたことで当時はなかなかたどり着けなかったところにも簡単にたどり着くことができてしまう。そこに行くまでの過程の楽しみがなくなってしまうのは寂しいことでもあるんですよね。
学生の頃に友達と過ごした青春時代の、小さいことでも楽しかった今でも覚えてるあの思い出を、どこかで持ち続けることが、童心に瞬間的に戻れる機会を与えてくれる要素の一つだと思うので、それを僕は持ち続けたいと思います。
――特におススメのシーンはどこですか。
僕はSFも好きで、この作品もある種、SFなので、時間軸を飛び越えたり敵の狐面たちと戦うシーンなどは、非常に僕の中では心が躍りました。
――アニメが好きな松坂さんだからこその喜び、またはプレッシャーはありましたか。
プレッシャーはありました。多くのアニメ好きの方たちも本作を観ると思いますが、どうか優しい目で観ていただけたらと思います。
また自分は声を入れる一人遊びを小さい頃からよくやっていたんです。テレビで海外の映画を観ながら、すごいムキムキの奴が出てきたらちょっと声を太くして入れてみたりとか(笑)、それが楽しくて。ですから子供の頃にやっていたことがこうして仕事として本格的に出来るのはうれしいです。
――では、今、海外の俳優の吹き替えをやるとしたら、誰をやってみたいですか。
えー、誰だろう、思いつかないですねえ。あっ、でも「ハングオーバー」のふざけた感じのブラッドリー・クーパーはやってみたいです。
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