――メインキャストの3人の中では一番年上ですね。やはり先輩として後輩の2人を引っ張っていくような感じでしたか。
とんでもないです。今をときめく2人ですから、とても素晴らしくて、相乗効果とでも言いましょうか、すごく刺激を受けました。今回、浜辺さんとは一度、匠海くんとは2度ほど一緒に声入れしましたが、2人とも本当に声が素敵なんです。作品の絵に合っていて違和感なくスーッと入って来ます。吹き替えは一人でやるよりも共演者がいた方が妄想も膨らみやすく感情も湧いたりするので、2人がいる時は心強くて本当に助かりました。
――名優の方々との共演が続いていますが、どのような気持ちで臨まれていますか。
役所広司さんや樹木希林さんとの共演は、もちろん緊張しますが、僕らの世代が作品を通してがっつりご一緒できるという機会はなかなかないので、この時間は貴重だぞ、という思いの方が強いです。緊張よりもこの時間を大事にしようという気持ちでいます。
――では、同世代で刺激を受ける俳優は誰ですか。
同世代だと、岡田将生や柳楽優弥は素晴らしいと思います。少し上ですと安藤サクラさんは素敵ですね。それと柄本佑さんはものすごい色気を持っていてカッコイイんですよ。それぞれが濃くて唯一無二の俳優なんだろうなと思います。
――役者を始めたばかりの頃と比べて俳優という仕事に対する思いはどのように変化しましたか。
正直、始めた当初はこの仕事を続けていくとは思っていなかったので、「侍戦隊シンケンジャー」をやっていた頃は番組が終わったら大学に戻ろうと思っていました。その後、初めて出演した映画「僕たちは世界を変えることができない」で、深作健太監督が「カメラマンが我々に勝手についてくるので皆さんは目の前に現れたことに普通にリアクションしていただいて、それを撮影していきます」と説明してくれたんです。
ああ、こういう撮り方もあるんだと知って、映像の世界っていろいろあって面白いなと思うようになりました。それからいろいろな作品で監督や共演者と出会い刺激を受けて、この仕事をやっていきたいという思いにつながっていった感じです。
――松坂桃李という俳優は、どんな役をやっても松坂さんにしか出来ない、前例がないような形に役を仕上げて演じているように感じられますが、いかがですか。
どうなんでしょう。先輩方のやってきたことって参考にしようにも簡単に真似できるようなことではありません。もちろん刺激になりますが、そういうことが出来るような技量を持っているわけでもないですし。ですから自分の経験してきたことや出来る限りのことをやる、ということを大前提として、難しいことは無理してまではやらない方がいいという思いでいます。
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