松本穂香 父親が母親になるという衝撃の展開作品!?「意識せず演じました」

2019/08/22 11:00 配信

映画

松本穂香

父親が母になるという衝撃の展開で話題となった短編映画『父の結婚』が、長編映画『おいしい家族』にパワーアップして9月20日(金)スクリーンに登場する。それを記念して映画・チャンネルNECOでは、公開同日に『父の結婚』の放送が決定。

今回どちらの作品も余すことなく楽しむために、ふくだももこ監督と『おいしい家族』で主演を務めた松本穂香を直撃。両作の違いや見どころなどを詳しく聞いた。

ーー男性同士の愛情や家族の在り方など多様なテーマを取り上げた理由とは?

ふくだももこ(以下ふくだ)「私が養子ということもあって、家族の形に血の繋がりとかはまったく関係なく、また男女で結婚する必要も特にないと思うんです。なので、家族とはなんぞやという風に決められた形は別にないと思っているので、こんなことになりました!」

ーー『父の結婚』が『おいしい家族』になることで変わった点はどこでしょうか?

ふくだ「全てがアップデートされた感覚ですけど、一番大きく変わったのは、『父の結婚』が家だけの話だったのが、『おいしい家族』では街の話になっているところです。舞台を島にしたのにはそうした理由があります。あと、新しいキャラクター像として高校生2人の軸も出てきましたが、それによって家の中だけじゃなくて外と関わりが持てるようにしました。(松本演じる)橙花(とうか)自身も自分の気持ちや父親、家族について考える際に、家の中だけじゃなくて外で考える時間を持てるっていう風になっています」

ーー松本さんは橙花役を演じる上で、意識したことはありますか?

松本穂香(以下松本)「逆に意識しないことでした。出てくるキャラも濃いし、周りの役者さんも素晴らしい方ばかりなので、それを見て感じたいという気持ちを常に持つようにしていました」

ーー実際に橙花の立場になったとしたら、こういう父親の変化は応援できますか?

松本「友達の家族がそういう状況になっていたら内心ちょっと面白いってなると思います。ただ、いざ自分の父親にお母さんになるからって言われたら、多分理解が追いつかない(笑)。どうしてそうなったのかわからないっていう状態だと思うので、多分橙花と同じような感じですね」

ふくだ「全然いいと思います。私は男女とか関係なくその人が好きっていう感じなので、好きなら好きでなんでもいいんじゃないかな。性格が悪かったりしたら嫌ですけど、人として好きになれるなら全然アリです。青治と和生は恋愛で結ばれたのではなく、ただ家族になりたいと思った2人なので、その感覚もすごくわかります」

ーー『おいしい家族』で気に入っているシーンはどこですか?

松本「いろいろありますけど、演じていて楽しかったのは犬のマネをするシーンですね。本当に新しい境地でした」

ふくだ「扉を開いたよね。本当に松本穂香、めっちゃおもろいやん!って(笑)、モニターの前で見ていて笑いが止まらなかった。台本には犬のマネって書かれているだけで、あとのやり取りはハマケン(浜野謙太)さんと穂香ちゃんのアドリブです。名シーンになりました」

ーー今回、橙花は休暇を取って里帰りをしていましたが、お2人はどのように休日を過ごされていますか?

松本「お笑いが好きなので、劇場に見に出かけたりします。今はジャルジャルさんが好きですが、好きな芸人さんができると1人でも劇場に行くようになります」

ふくだ「最近はとりあえず芝生のある公園に行って寝ます。それ用にレジャーシートも買ったんで、いつでも寝られる状態。ちょっとでも時間が空いたら新宿御苑とかに行って寝ています。めちゃくちゃ有意義な過ごし方です」

ーーそれでは最後に『父の結婚』と『おいしい家族』の見どころを教えてください。

ふくだ「『父の結婚』の主演はソニンさんなのですが、言ってしまえば同じ人から生まれたキャラクターです。それなのに、穂香ちゃんとソニンさんでは年齢や芝居のやり方も違うので、見比べてみるとすごく面白いと思います!」

松本「『父の結婚』ももちろん見ていますが、板尾さんの時を経ても変わらない女装姿にはちょっとした感動があります」

ふくだ「でも、『おいしい家族』の方が似合っているというかハマってる。2回目ということもあって年季が入った感じなので、そのあたりも見てほしいです」

文=安藤康之 撮影=中川容邦