佐久間宣行プロデューサーインタビュー(後編) 「テレビは今、作り手の意図が伝わった方がプラスになる」

2019/08/25 06:00 配信

バラエティー

演劇系の企画は「フライヤーに書いたメモ」がカギ!?


――そんな中で、バラエティーをご担当されている佐久間さんが「今期待している芸人さん」はどなたでしょうか?

期待している芸人か…。ネタが面白いな~と思うのは、もちろん霜降り明星ハナコはそうですけど、かが屋とかAマッソとかザ・マミィとかは、あまり見たことのないようなコントをやっているので、これからが楽しみですね。あとは、テニスコートっていう、芸人と役者の間のようなグループがあって、彼らのコントは結構好きですね。

――そういった芸人の皆さんを、ご自身の番組などで「こういう形で起用していきたい」という思いはありますか?

それはもう、どういう形もなく、「面白そうだな」と思ったら普通にどんどん出していますよ(笑)。あと、お芝居とかを見に行くと、大体その公演のフライヤーが手に入るじゃないですか。僕は公演を見た後すぐ、それに「この子はイケメン」「滑舌良し」とか(役者さんの特徴を)全部メモをしておいて、後日番組のAPに渡しちゃうんですよ。

例えば芝居系の企画がある時には、思い出せる時は僕から「〇〇君いいんじゃない?」とか提案するんですけど、そうじゃない時はAPがメモを入れたフライヤーを全部持ってきて、そのメモ書きの中から合う子を探して「この人いいんじゃないですか?」って(出してくれて)キャスティングしている感じですね。

なので、自分が現場で見たことが全部キャスティングにも繋がってますね。最近だと、自分の番組とか関係なしに、いろんなドラマやCMの人からもキャスティングを相談されるので、「これは絶対〇〇さんが良いですよ」って返したりしています。勝手にオーディションにあっせんするという、謎の職業をやってますね(笑)。

「まだ見せていない“魅力の箱”が開きそうな人を番組に呼びたい」


――「ゴッドタン」では、度々フィーチャーされている芸人さんも結構いらしゃいますが、そういった芸人さんたちの特徴、傾向などはありますか?

それはいろんなパターンがあるんですよ。まだ世の中に見つかっていなくて「見つかってほしい」という思いから出す人もいれば、(芸人として)若干行き詰まって七転八倒しているけど逆にそれが面白くなっている人もいますし。

あとは「まだみんな気付いていないけど、このキャラクターをひっくり返したら面白がってくれるんじゃないか」っていう人もいて。EXITはまさにそうですね。(結果的に「実は真面目でチャラくない」という素顔を暴いてしまい)それが彼らのためになったのかはわからないですけど(笑)。

とにかく、「ゴッドタン」の場合は他の番組で見せていない“魅力の箱”が開きそうな人を毎回呼んでいるイメージですね。お互いにそういう面白い時期を過ごして、そうじゃない形で売れていったとしても、また番組にたまに来てくれるだけでいいですよ(笑)。