大春:幕末やるんだったら高杉晋作の時代劇しかやりたくなくて、時代劇はお金がかかるんで絶対やらないって言ってたんですけど、劇団員が幕末やるならどうにか刀はそろえる!と言い始め、そこを信じて「分かりました。幕末やりましょう」となりました。
三浦:今回、いつもと大きく異なるのは、落語の中の話ではないところ。いつもは落語の話の中の芝居だから、扇子と手ぬぐいで演出する方法で今回もやってたんですけど、どうしても座りが悪い。
高杉晋作が絡む話だから、本物を使わなきゃダメだって思って、刀を用意してくださいとお願いし、コロスも欲しいですとお願いして追加してもらい、兼ね役ではやれない芝居だと気が付き、参加者も増え・・・大変なことになりました。
大春:小劇場では、武士が帯刀するのは刀一本というのが主流ですが、今回は二本差しですから。
三浦:僕のわがままで。武士は二本でしょ。どうしても、刀一本でやっているのが許せない。二本差しにするとアクションしづらいから、アクション芝居には一本が多いですけど、そこは嘘をつきたくないなと思って。
「幕末サンライズ」は、武士階級と落語家の友情物語なんですよ。ダメダメ落語家の弟子に松陰が入るというお話なんです。階級の差が逆転しているところに面白さがある。武士階級が武士らしく見えなかったらおしまい。だから刀は二本差しでないと、この話の面白さは半減しちゃう。
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