――あらためて…蜷川監督の印象は?
とにかくパワフルです。どこまでも貪欲。そのパワーのようなものは作品に出ていると思います。今回の作品でも女性にしか分からない視点で描かれている面白さがありますよね。
もちろん、太宰治がメインの物語なんですけど、3人の女性をしっかりと描きながら、ちゃんと裏のストーリーも切り取っている。もし、男性の監督が撮っていたら、また全然違うものになっていたような気がします。
――蜷川監督からアドバイスされたことは?
実花さんからは「とにかくハッピーで、ルンルンしといて」って言われました(笑)。
静子という役に関しては重い要素が全くなかったですから。とにかく楽しいウキウキした役。実花さんの演出も「いつものかわいい感じでいいから」と、すごくシンプルでした。
――確かに、太宰を取り巻く3人の女性の中ではハッピー感満載のキャラ。
それこそ、最初に実花さんが撮ると聞いて、重い役がくるのかなと構えていた部分があったんです。どうしようかなぁ、さすがに重い感じのキャラクターは嫌だなって。
でも、脚本を頂いて静子が出てくるところだけ読んだら「あれ? 楽しいじゃん、これ」ってなって(笑)。
――最終的に、愛人である静子は太宰の子を身ごもることに。
欲しいものを手に入れた女性ですよね、静子は。
――新鮮に思える期間が?
静子にとってみれば、たとえ太宰が振り向いてくれなかったとしても、彼の子を身ごもったという余裕があったんじゃないのかなと。
太宰から煙に巻かれる感じは癪(しゃく)に障ったりすることもあるけど、たぶん静子なりにきちんと成立していたんだと思います。
――静子は、太宰の妻・美知子(宮沢りえ)に対してどんな感情を抱いていたと思いますか?
静子は太宰に会いたいからといって、彼の家に行っちゃいますからね。しかも、ウキウキしながら(笑)。ちょっと理解に苦しみます。ものすごくピュアな女性なんだろうけど怖いですよね。
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