今作の映像を支えているVFXスーパーバイザーの尾上克郎いわく、満州の街並みは「中国の古い街に、ロシア人や日本人が後から入ってきたために、街並みも人も、和洋中が入り混じった不思議な空間でした。特徴的なロシア正教風の尖塔が立っていたり、そこに中国の看板がや日本の看板があったり」という特徴が。
しかし、満州のロケが行われたのは、東京・浅草のシーンも撮影した場所。尾上は「違いを出すのはすごく難しいですね。美術さんも大変だと思います。画調を変えたり空の色変えたりして」と苦労も明かした。
五りんが志ん生の元を訪ねるきっかけとなった父からの絵葉書「志ん生の富久は絶品」。同回では、謎に包まれていた志ん生と五りんの不思議な縁が明かされる。演出を担当したのは大根仁監督だ。
森山が主演した映画・ドラマ「モテキ」(2011年ほか)の監督も務めていた大根は、今回の森山の演技について、以下のようなコメントを寄せている。
「未來にはいつも放置プレイというか、細かい演出をするのが恥ずかしいので、よほどのことがなければ何も言わないのですが、どういう編集になるかの説明はしました。いやまあ最高の、いやそれこそ絶品でしたね。あと『富久』の前に圓生の『居残り佐平次』を撮ったのですが、七之助君が本当に素晴らしかったんですよね。エキストラのお客さんたちがガチで惹き込まれている様子を見て、未來も火が点いたんじゃないかな(笑)。未來のことはあまり褒めたくないのですが、たまには言います。“森山未來の芝居は絶品”」。
大根はさらに、今回の見どころを「やはり、志ん生・圓生・勝、すなわち森山未來・中村七之助・仲野太賀の初共演とは思えぬ、俳優としてすべての相性がマッチした演技…いや、僕は途中から演技とは思えませんでした。僕は元々、男同士のいわゆる“バディもの”が大好きなのですが、男女の関係性とは違う、役者同士の間に独特の色気が漂うんですよね。圓生の『居残り佐平次』から志ん生の『富久』そして勝がとったある行動という流れは、元々の宮藤さんの脚本も見事だったのですが、役者・演出・スタッフの『脚本を超える!!』という思いが一つになったシーンだと思います」。
落語パートの伏線が回収されていく今回。細部まで注目してほしい。
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