――印象に残ったシーンを教えてください。
志方が「彼女(はつみ)は傷ついているんだ、放っておけなくなった」というシーン。遠藤さんの演技が上手過ぎて、本当に腹立つっていうか、キレるってこういうことかと。
雪子に何1つ気を使わず、はつみの全てを気に掛けて、心配して、そのせりふで遠藤さんがポロッと泣いたんですよ。
男って弱い生き物だっていうのを遠藤さんが前面に出したシーンだったので、それを見せていただけて、それがもし現実だったら拳が出たと思う(笑)。
そのシーンの最後に「彼女を好きになってしまった」というせりふがあったんですけど、そこに「これ以上、傷つけたくなかった」「そのうち、放っておけなくなった」というせりふを、遠藤さんが足したんですよ。
台本では「彼女を好きになってしまった」と劇的に言う感じだったんですが、それは「ドラマチック過ぎてリアルじゃないし、好きになったっていうことより、僕がこっちを言いたい」と言って。そのシーンが1番印象的でした。
――撮影中、印象に残ったエピソードはありますか?
遠藤さんがリアルを求めて、諦めずに、いろいろなシーンの相談をスタッフにしてくださったので、自分もやれたという気持ちがある。
1カットで撮れないくらい長い私のシーンを、わざわざ「1カットでやってくれ」ってお願いしてくださったり。
遠藤さんはこれだけのせりふ量があるから、本来なら自分のことでいっぱいいっぱいにならないとおかしい人なのに、「大丈夫?」とか全員にお伺いを立てながら進めていた。
彼の気の回し方が、この良い現場を生んだのかなって思います。
――最後、遠藤さんに声を掛けるとするなら?
ここまでひどい役をよく引き受けたと思うし、この志方役を本当にやり切った遠藤さんはすごいなと思う。途中おかしくなりそうになっていたけど、それでも笑顔で現場に来ていたんで、本当にお疲れさまだけです!
――印象に残ったシーンを教えてください。
どのシーンって言うより、ほとんどのシーン。今回、いろんな面に関してアイデアを出した。
こうしてみたい、ああしてみたいって、今までで1番言った現場なので、それを受け止めてくれた西本淳一プロデューサーをはじめ、スタッフの皆さんに、とにかく感謝したい。
みんなの知恵が集まり、最終的に逃げ出す人も出ず(笑)、よく一緒になってやってくれたなと思っているんで、もう悔いない!
ホント、今回は寝ても覚めてもって感じだったね。起きた時からすぐその日の(撮影の)ことをがウワーッと浮かんでいるし、寝る直前まで浮かんでいるし。
普段はあまり映画とか見ないのに、DVDを買っていろいろ見て、空気感だったり知恵をもらった。なんか燃焼できた2カ月でした!
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