いとうせいこうが語る自著、精神科との付き合い、みうらじゅん、国境なき医師団のこと

2019/10/04 11:46 配信

バラエティー

「BOOKSTAND.TV」放送200回記念スペシャルゲストはいとうせいこう


――番組をさらに長く続かせるという点で、せいこうさんから何かありますか?

いとう:結局好きだからやってる以外にないんですよね。好きってことにはものすごい力があるから。博士は人が好きなんでしょ?たぶん。

博士:見仏記もそうだけど、何かを書けば、「実は私も好き」って人がわいてくる。その感じがいいですよね。

いとう:それはすごくありますよね。長く続けないと岩盤は掘れないというか、まだまだたくさんミミズたちはいるわけ。1年2年の番組だと届かないんですよね。鉱脈はすごくあるんですよ。テレビはなるべく長寿であってほしいと願うのは、そういうことなんですよね。

200回やってれば。番組が始まった頃に小学生だった人が、高校生くらいになるんじゃないの?

原:そうですね。4年近くになりますから。

いとう:ひょっとしたら、何の職に就こうかということに影響するかもしれないじゃないですか。そういうことが大事。ぜひ変人が増えていくことを祈ります。

――「メルマ旬報」について、せいこうさんから聞かせてください。

いとう:すごく新しいことをやったんですよ。いっぱい柱を立てて、博士はやんなくてもいいことまで、誤植を見つけるところまでやってて。偉いなあと思う。

雑誌がなぜ弱体化したかというと、みんなが知らないようなことを書く尖った人にコラムを与えなくなったからだと僕は思ってるんですよね。みんなが知っていることしか書いてない。そういう時に、雑誌の魂を受け継いで、出版のこともやっているし、テレビもやっているし、偉いなあといつも思ってます。

博士:「メルマ旬報」から単行本になっているのが一番うれしいですね。いっぱい本になってる。締め切りがあるから書かなきゃいけないというのもあるけど、原稿をためていくことを気楽にやってもらう、ゲラを集める場所になればいいと思いますね。

好きなテーマでないと書かないし、時流受けしようと思って書いている人もいないし、今の雑誌が拾えていないものを拾えているかなと思う。

いとう:心強いですね。