瀬々敬久監督が映画タイトルに込めた想い…佐藤浩市と明かす舞台裏

2019/09/20 21:41 配信

映画

数多くの作品でタッグを組む2人

映画「ヘヴンズ ストーリー」、「64 -ロクヨン- 前編/後編」、「菊とギロチン」などの衝撃作を次々と生み出している鬼才・瀬々敬久監督の最新作「楽園」が10月18日(金)に公開される。本作は、吉田修一の「犯罪小説集」を綾野剛、杉咲花、佐藤浩市で映画化。とある地方都市で起きた少女失踪事件と、それから12年後に起こる2つの事件を描いた衝撃のサスペンスだ。本作の公開を記念し、瀬々監督と佐藤浩市とのスペシャル対談が実現!「楽園」の見どころはもちろん、9月22日(日)に日本映画専門チャンネルで放送される映画「64 -ロクヨン- 前編/後編」についてもたっぷりと話を聞いた。

――「楽園」で佐藤さんが演じるのは、小さなすれ違いから集落の人々に村八分にされ、孤独に追い詰められていく男性・田中善次郎。瀬々監督はなぜこの役を佐藤さんにオファーしようと思われたんですか?

瀬々「犯罪が題材になっていますが、実はそこにはピュアな心情があったんだというようなことが伝わる作品を作りたかった。僕が言うのは変ですけど、浩市さんのピュアな部分をいかんなく発揮してもらいたいなと思ってオファーをしました。一見こわもてですが、ピュアな方なので(笑)」

――佐藤さんは、孤独によって壊れていく善次郎を演じるのは難しくなかったですか?

佐藤「どう演じようかと考えているときに、タイトルが『楽園』に決まったんです。そのタイトルを聞いた時に、僕の中でポンと抜けられました。なるほど、楽園ね、と。タイトルのおかげで自分の役が見えたというか、行くべき方向にスッとフォーカスがあったんで、すごく助かりましたね」

瀬々「最初は『Y字路』とか、『悪』という案もあったんですけど、ピンとこなくて…。『楽園』というタイトルにはゴーギャンの絵の『楽園』的な意味合いも含んでいますし、事件とか犯罪ってよりよくありたいっていう思いがねじれて起きるんじゃないかな?と、僕はいつも思っているので。そういったところを託したくて『楽園』にしました。犯罪という題材でありながら、どこかに純粋性というか、透明なものっていうのが伝わるようなタッチにしたかったんです」

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