瀬々敬久監督が映画タイトルに込めた想い…佐藤浩市と明かす舞台裏

2019/09/20 21:41 配信

映画

数多くの作品でタッグを組む2人


――そんな映画『64 -ロクヨン-』が日本映画専門チャンネルで9月22日(日)に放送されます。あらためて振り返って、どんな作品ですか?

佐藤「ああいう作品で前後編をやるっていうことで、条件が厳しいなっていう気持ちは正直ありました。その中でしかも座長をやるっていうこと。僕自身のテンパり方が半端なかったですね(苦笑)。そういう意味では瀬々さんにはずいぶん迷惑かけたなって思うんですけど。よく言えば、それも含めての緊張感が映画のテイストにはなったのかな?と思うんですけどね」

瀬々「前編の最後に、浩市さん演じる三上が記者クラブに向かって演説するシーンがあるんですけど、それが前編の見どころなんです。見どころでありながら、ただ人が演説してるだけのシーンが見どころになるのかっていう(笑)。そんな映画あるのか!っていう見せ場になっているので、映画の企画自体がすごくチャレンジングなところがありました」

佐藤「どうしたら演説シーンを見せ場にできるのか。後編につながるジョイントの前の見せ場としてどうするか、という大変さはありましたね」

瀬々「並々ならぬ浩市さんの思いを感じたシーンでもあります。若い俳優は先輩の背中を見たみたいなところがあったと思います」

佐藤「馴れ合いにはなりたくなかったので。若い俳優たちをたきつける部分は当然ありました。記者クラブのみんなも同じ覚悟をもって挑んでくれたからこそ、あのシーンができたと思っています」

瀬々「撮り終わった後に記者役の若い俳優たちから実際に拍手が起こったんですよ。それは今でも覚えていますね。あのシーンは印象深かった」

佐藤「大体そういうシーンが終わると、次の日からホッとできるんですけど、後編の撮影がまだまだ続いていくっていう。そういう意味でメンタルは疲れました(笑)」

瀬々「次々に強敵が現れてくるっていう話でしたから」

佐藤「そうなんですよ。一人倒すとまた次に誰か現れてくる(笑)」

瀬々「そこも含め、ぜひ最後まで目を離さずに見ていただけたらうれしいです」

鳥取えり

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