蜷川実花監督 宮沢りえらへのラブシーンの演出の細かさに「アクション監督と呼ばれていました」

2019/09/20 15:48 配信

映画

映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」(c)2019『人間失格』製作委員会

公開中の映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」の音楽&トークイベント「Listening&Talk Session三宅純 with 蜷川実花」が9月19日に行われた。

映画公開と本作のサウンドトラックアルバムリリースを記念して行われたイベントには、蜷川実花監督、音楽を担当した三宅純、プロデューサーの池田史嗣、音楽プロデューサーの高石真美らが登壇した。

映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」は、太宰治の代表作「人間失格」の誕生秘話を描いた作品。太宰(小栗旬)は身重の妻・美知子(宮沢りえ)と2人の子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返していた。一方で、ベストセラー作家としての地位を確立していった。そんな時、太宰は作家志望の静子(沢尻エリカ)の文才に惚れて愛し合うようになる。また、未亡人の富栄(二階堂ふみ)とも関係を持ち始める。2人の愛人に子どもがほしいと言われる常軌を逸した日々の中で、太宰は妻や担当編集者に激励され「人間失格」の執筆を始める。

フリートークでは、監督の蜷川とサウンドトラックの制作をした三宅の出会いや、今回の音楽の制作秘話で話が盛り上がり、3時間に及ぶイベントになった。蜷川は「仕事で訪れた BEAMS でもらった BEAMS RECORDS に入っていた曲がすごく気に入ってしまって『誰の曲か分からないけどすごく好き!』と、私がパルコで行った展示会のために作った映像の音楽に使用したいと思ったんです」と三宅の音楽との出会いについて約20年前の出来事を振りかえった。

そこから交流がなかったものの蜷川は映画の制作に取り掛かる中で、楽曲は三宅の曲にしたいという思いがあり、パリコレで偶然三宅と席が隣になったことで「お願いしたいことがあるんです」と三宅への今作への協力を打診したという。映画の制作過程でのエピソードでは、蜷川監督は「三宅さんは、基本真逆の提案で、どれもパンチが効いていて衝撃がすごい」と話し、三宅は「観ていただけると分かると思いますが、同じ映像やセリフでものせる音楽によってはまったく印象が変わるんですよね」と語った。また蜷川監督は宮沢りえ沢尻エリカ二階堂ふみ演じる女性たちのラブシーンに関して「かなり(演出が)細かかったようで、アクション監督と呼ばれていました」と苦笑い。

池田プロデューサーは「ある意味悲惨なはずなのに、観終わって爽快に終われるのは楽曲のおかげ。蜷川監督の映画は画の濃度が尋常じゃない。そこに音楽が寄り添うのか拮抗するのかという中で、(三宅の音楽は)画に全然負けてないし、映画が何倍もの力になった。レコーディングで震えたのは初めて」と話した。蜷川監督は今回の三宅とのコラボについて「なんて贅沢なんだろうって。絶対大好きな人としかやりたくなかったので、ご一緒出来てよかったと思う。自慢です!」と語っていた。

映画「人間失格 太宰治と3人の女たち」は9月13日より全国公開中。