第3回WOWOWシナリオ大賞受賞作を映像化したドラマW「遠い日のゆくえ」が、3月13日(日)夜10:00からWOWOWで放送される。そこで、主演の永山絢斗にインタビューを行い、見どころなどを語ってもらった。
本作は、第3回WOWOWシナリオ大賞で、過去最高の730編の応募作の中から大賞を受賞した福島敏朗脚本による「仄かに薫る桜の影で」を映像化。独居世帯と孤独死の増加、無縁社会という世相を背景に、死者の生の軌跡をたどり、成長していく青年の姿を描いたヒューマンドラマだ。永山は、孤独死や事故死などが死因と思われる故人の部屋を清掃する特殊清掃業の見習いの青年・孝志を演じる。
――本作の出演を決めた理由は?
「最初に台本を読ませていただいて興味深い作品だなと思いました。“孤独死”という言葉は耳にはしていましたが、意味をきちんとは分かっていませんでした。特殊清掃業という仕事があることも知りませんでした」
――実際に特殊清掃員を演じてみて、いかがしたか?
「孤独死が増えている時代には、本当に必要な仕事だと思います。どういう気持ちでこういう仕事をしているのか、すごく気になりました」
――作品を通して気持ちの変化はありましたか?
「一番認識の変わった部分は孤独死についてです。お年寄りの方が多いという印象があったのですが、30代、40代でも孤独死をしている方がいると聞いて驚きました。“自由に生きる”という時代なので、その結果ではないかと思いました。家族がいながらも孤独死する例もありますし。孤独死に関しては、とても一言では言い表せません」
――孝志というキャラクターの印象は?
「特別変わった人間だとは思いませんでした。暗い印象も特に抱きませんでしたし、本当にどこにでもいる青年だと思います。過去にあったことや生き方に魅力を感じました」
――演じる上で、朝原雄三監督からリクエストはありましたか?
「細かい指示はありませんでした。とにかく『孝志を生きてくれ』と。例えば、ナレーションで『孤独死の女性が残した日記。そこに書かれていたことが、僕を強く引き付けた』というせりふがあるのですが、監督からは『“引き付けられた”という言葉を、プラスにもマイナスにもどちらにも取れるニュアンスで言ってくれ』と言われました」
――朝原監督の印象はいかがでしたか?
「全部持っている方! うそがなくて、思ったことを正直に言う方です。自分の中で初めて出会ったタイプの方でした。映画の中でもこんなタイプの人間、見たことないです(笑)」
――本作では寺脇康文さんや、富田靖子さんなどベテラン俳優の方々と共演していますが、現場の雰囲気はいかがでしたか?
「大人な雰囲気の現場でした。僕の出演場面には、同年代の方がほとんどいなかったので、『大人の方と芝居している!』という感じが強かったです。寺脇さんとはプライベートのことを話したりもしました」
――現場といえば、今回は金沢ロケもありましたよね。
「金沢はカニがおいしかったです(笑)。ご飯を食べようと喫茶店に入ったことがあったんですが、そこでランチセットを頼んだらスパゲティーにカレーが掛かったものが出てきて、さらにライスまで付いてきたんですよ。これには驚きました。でも、得な感じがして良いですね!(笑)」
――最後に作品の見どころをお願いします。
「僕もこの作品に関わって、孤独死や特殊清掃業など、それまで知らなかったことをたくさん知りました。ただ、知らなかったのは僕だけというわけではないと思うので、このドラマが孤独死などを知るきっかけになればと思います。見終わった後に、それぞれ何か残る作品だと思います。ぜひ、WOWOWに加入して見て下さい!(笑)」
[プロフィル] 永山絢斗(ながやま・けんと)'89年3月7日生まれ。東京都出身。B型。第34回日本アカデミー賞新人俳優賞受賞。
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