――藤原さん自身、過去にいじめを受けた経験があるわけですね。
藤原一裕:はい、中1の終わりから中2くらいまでかな。やっぱり苦しかったし、イヤな思い出ですね。
――そのいじめの被害から、どうやって逃れたのでしょうか?
藤原:うちの家は、親父の仕事の関係で転勤族やったんですけど、いじめられていた頃は新潟にいたんですよ。その後、親父の転勤で奈良に戻ることになって、その引っ越しのおかげで、それまでの環境からドロップアウトできました。
――そこから新しい人間関係を築いていったんですね。
藤原:なんとか築けましたけど。でも当時、もし僕が小学生やったら、転校しても、友達も割とすぐできるし、きっと楽やったと思うんです。でも中学生になると、転校生って、ちょっと好奇の目で見られるやないですか。だから友達ができるまで、かなり時間が掛かりました。あと今思うと、その時期に空手に出合ったのは大きかったと思います。
――今も、いじめに関するニュースは絶えませんが、藤原さんはどんな思いで、それらのニュースを見ているのでしょうか。
藤原:例えば、いじめられていた子が自殺した、という報道が出ると、学校は知っていたのか・知らなかったのか、親は知っていたか・知らなかったか、それと、どんな風にいじめられていたか。そんなことばっかり取り沙汰されて、命を絶ってしまったその子の“感情”は無視されるやないですか。それはおかしくないか?…というのは、常々思っていて。
これは僕個人の意見ですけど、学校に通い続ける必要なんか全くないと思うんです。イヤやったら、親に言って転校させてもらってもいいし、学校に通わずに家で勉強してもいい。ただ、家に引きこもって何にもしない、というのは違うと思うんですよ。今回の絵本では、まさにそこを書いたつもりです。
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